巨匠とマルガリータ (世界文学全集 1-5) (世界文学全集 1-5) (世界文学全集 1-5)/ミハイル・A・ブルガーコフ

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20世紀初頭のロシア作家、ブルガーコフの大作。
あちこちで褒めてるのを見て、読みました。
共産体制下で弾圧されて、生前はほとんど著作を発表できず、
死んでから発見・再評価されたのがこの長編らしい。


共産下モスクワの町に悪魔(とその一味)が現れ、
市民に妙な幻覚を見せて町を混乱に陥れる。
これと平行して、
売れない作家「巨匠」と人妻マルガリーダの純愛、
イエス・キリストと総督ピラトーの確執を描いた巨匠の作品(作中作)、
が互いに錯綜しつつ描かれます。

黒猫が言葉をしゃべったり、
丸裸のマルガリータが箒で夜空を飛んだり、
ハチャメチャな展開の中でそれとなく体制を風刺している感じ。
妄想力に関しては、ポイント高い小説でした。


この世界文学全集とか、光文社文庫とか、
新訳はやっぱり非常に読みやすいですね~。
かつて挫折した「アブサロム、アブサロム」とか、
ヴァージニア・ウルフなんかも、訳が変われば読めるかも…と期待しています。