先日のブログを書くため 『Me Talk Pretty One Day 』 (David Sedaris) を読み返していたら、

やっぱり面白かったので、ワタシが一番好きなエッセイをもう一篇紹介します。


タイトルは 「Go Carolina」。


セダリスは小学生のころ、英語の 「s」 が正しく発音できませんでした。

( 「th」 という音になってしまうらしい…。 発音ベタなところに、なぜか親近感



そこで、放課後に言語療法士と練習させられることに――。

この屈辱に耐えきれず、彼は名案を思いつく。




” 「s」 を使わずにしゃべればいーじゃん!!”





コレ、やってみれば分かるけどすご~く難しいです。 ある意味、英語の勉強(?)になるかも。




たとえば


Yes」 のかわりに 「Correct」 「Affirmative」 (軍隊かよっ!) と言う。

Please」 ではなく 「with your kind permission」 を使う。 (むっちゃ丁寧ですね)

ものを頼むときは、「ask」 でなく 「plead」 する――。




そこで誰もが抱く素朴な疑問……




所有格や複数形の 「S」 はどーするの??






ハイ、少年セダリスはこれにも対処策を考えました。




Janet's glove」 のかわりに 「glove of Janet」 


そして


rivers」 ではなく 「a river or two」 「many a river」 と言えばいーんですっつ!!




どんなまだるっこしい英語やねん……。



とはいえ、小学生でここまで徹底できる言語能力があるってのは、

ある意味、単に「S」を発音できる以上にすばらしいことだと思います。


そんな彼が、長じてラジオ番組のパーソナリティをつとめるなんて、誰も夢にも思わなかったでしょうね・・・。



いつかオーディオブックで、大人になったセダリスの 「S」 の発音を確認してみたいものです。