恩師の訃報が届きました。とても厳しい先生で、ご自宅のレッスンに通う道のりは毎回気が重く、扉を開ける前には深呼吸をして臨んでいたことを思い出します。
ですが、実はとても愛情深く、また生徒の本質を見抜いてくださる先生で、
ある日、ぶっきらぼうに「中村さん、これあげます」と言ってくださったのが、このサイコロ。
〈おしまくれ、まずまず、もうひとおし、でなおせ、ひとやすみ、あきらめろ〉
当時、ガチガチの四角四面で緊張しいの私をはがゆく思ってくださったのか、「ちょっとほぐしたらなあかん」と思ってくださったのか…
なかなか自分を表現できなくて、ただ必死なだけの私に、こんなユーモアで力抜くことを教えてくださった。
今にして思えば、なんでこんなん持ってはったんやろー…と思いますが、それ以来、ことあるごとに、このサイコロ振ってきました。
これからも行き詰まるたびに、コロコロっと振ると思います。
先生、本当にありがとうございました。
どうぞ、ゆっくりとお休みになってください。
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