『透明』 -2ページ目

『透明』

透明で在りたい。
どこまでも…
どこまでも…

透明で
ありたい。


36歳。

幼い子供のまま、
歳だけが重なって行った。

嘘と偽善で固められた心。
偽物と言う名の仮面を被る。

そして、
取り繕う事に全力を注ぐ。

他の誰かを演じた。



私って…誰なんだろう…



気付いた時には、
本当の自分が分からなくなっていたよ。

抜け出したいと思った時には、
最早、セメントの様に固まっていた。


気付くのが…遅かったね…


もっと早く、あなたに出会っていたら、
もっと早く、気付けていたら良かった。


消えちゃいたかった。
居なくなっちゃいたかった。


生まれて来なければ良かったと、
心の底から思ってしまったんだ。


人を羨んでばっかりで。
人を妬んでばっかりで。


私の周りには、
誰も居ない。

友達も居なくなっていたよ。


自分の事、
好きじゃないな。


人生やり直したいとは微塵も思わないけれど、
もう私には生まれたくないな。

かと言って、
生まれ変わったら他の誰かに生まれたいとも望んでいない。


命が尽きたらそれで終わりたいだけ。


又この世界に存在したくないし、
人間には生まれたくない。


今のこの命が終わったら、
それで終わりたい。



そんなどうでも良い事、
考えていたよ。