100枚のLPを買取店に引き取ってもらった。LPとCDのプレーヤーをそれぞれ不燃ごみに出したのを機に処分した。CDプレーヤーは30年選手で寿命が尽き、LPプレーヤーはフルオートの安価なもので安かろう拙かろうの製品だった。LPを処分してCDプレーヤーを購入する資金に充てようと思い立ったのである。

LPは高校生の時にコンポブームが起きてステレオを買い揃えたときに、せっせと買い貯めていたものだ。当時ジャズ喫茶に勤めていた友人にも感化され、マッコイ・タイナーの初のリーダー演奏を収めた「インセプション」が人生初めてのLPだった。

その後、マイルスやコルトレーンなど有名どころを聴きまくり、ずいぶんと収集した。クラシックギターのLPもたくさん買った。2千円といえば高価なもので、思い返すと、3人の子を抱えて生活を支えた看護婦長の母はそんなものに小遣いをくれたものだと頭が下がる。ステレオも買い揃えると高価だった。

買取店の店員が来訪した。色々と話が弾み、久しぶりに会話した。大学を出てサラリーマン生活を1年やったが続かず、郷里に戻って好きな音楽関係の店でアルバイトをしてそのまま20年になる。風采は上がらないが好漢だった。

梱包をして持ち帰り、後日査定金額を伝えるという。てっきり車で来ていると思ったら、会社の方針で社用車はないらしい。たまにテレビのCMで見かける業界大手だが、シビアなものである。タクシーを拾うと言い、去っていった。

数日後、査定表が送られてきた。ジャズの名盤は意外に低評価で、日本人のあまり著名ではないジャズピアニストのLPで帯が付いているものが2千円で最も高価だった。帯が付いて売ると良い値段が付くそうだ。

 

石川セリの少年向けNHKドラマの主題歌『遠い海の記憶』を収録したドーナツ盤も1,200円の値が付いて驚いた。しめて16,500円。3万円台のCDプレーヤーに目を付けているが、普段は動画サイトからPC経由でステレオを鳴らしている。買っても使うかどうか、もう少し考えたほうがいい。

書棚を片付けていると、大学の卒業式の日の写真が出てきた。友人2人に送ると、一様に驚いて返事を寄こしてきた。そのうち1人は留年したので映っていなかった。初めて見るのも道理である。もう一人はこう書いてきた。

皆年齢を重ねて、様々なことがありますよね。若い頃、また昔考えていた通りにいかない事の方が多いけれど 「まだ自分達は生きて動けている」。ありがたいことです。

あれから半世紀が過ぎた・・・・。