雑踏の中でひとしきり泣いた後

我にかえった

泣いても解決しない！

なんとかしなくちゃ、、、

この近辺に何軒かまだ買取のお店がある

2万円なんてことないよね？？ね？？？

デパートのトイレでメイクを直し

2件目に、、、ここは買取センターと併設しておしゃれなお店もある

買い取ったものを売っているのね

ショーウィンドウを見て鼓動が早くなる

買いたい、欲しい、この色持ってない、品切れで買えなかったバッグだ、、、、、

買い物依存症の症状が、、、

買取のスタッフの方は

パンツスーツの可愛い女の子

はち切れそうな胸元のボタンから目を外すことができない、、、、！！！

（私はパンセクシュアルです）

「貴重なサイズのブレスですね？」

にこやかに話しかけてくれる

きちんと白い綿手袋で私の宝物を大切に扱ってくれる、、、それだけで嬉しい

少しお待ちくださいね

女の子PCを触ったり、席を外したりして数分の沈黙

「こちら、発売からかなり年月が経っていますね」

！！！

また鼓動が早くなる、、、

さらに追い討ちをかけるかのように、、、、

「お客様、もしかして長さをサイズ調整されてますか？」

！！！

この瞬間、全てを悟った

あーこれ、ダメなやつだわ、、、

確かに自分の手首に合わせて15cmにチェーンを切ったことを思い出した

提示された金額は、

15万円でいかがですか？

なんとも言えない、、、、

確かに2万円と言われたところを15万円は

本当にありがたい！

ありがたいんだけど、、、足りない

足りないのよ

支払いに足りないの

一旦保留にして

もう一軒あたってみる

なんだかもう、質屋さんや買取センターに入るのに抵抗をなくした私

3軒目は

日焼けしたがっしり系のお兄さん

マスクで見えないけれど、とても人懐っこい笑顔のお兄さんでした

ブレスレットを見ながら

優しく、低めのトーンで質問をしてくる

「こんな可愛いのに売っちゃうんですか？勿体無い〜」

はい、、、ちょっと事情がありまして、、、

「ぼく、ここの店長なんですよ。がんばりますよ」

「それで買取の希望金額をお聞きしましょうか」

これって、希望を言っていいの？？

どうなの？？

「30万円から40万円になればいいかなーと、、、」

「なるほどなるほど、、、少しお待ちくださいね」

PCをカチャカチャした後にさっとこちらを向く

「あのですね、このモデルのブレスレットは弊社のどこにも在庫がないんですよ。つまり貴重な品物です。」

20万円でどうでしょうか？？

もぉ〜〜〜心が沸騰状態で何が何だかわからなくなってしまった

必要な金額は37万円

だけど、このブレスの価値は20万円しかない！

フリマサイトで売れば希望金額に近づくかもしれない！

だけど、フリマサイトで販売する時間的余裕はない！！

ここで売っても17万円足りない

20万円は喜ばしいことなんだけど

足りないのよ

そしたらお兄さんから

思ってもない言葉が、、、、、

いま付けてらっしゃる指輪とネックレスって○○のブランドですか？

鑑定してからはっきりした価格をご提示できるかと思いますが、、、大まかな提案になりますが

それを売ってくださるなら合計3点で39万円で買い取りますよ！

如何ですか？？

！！！！

はぁぁ〜〜〜うぅ、、、、、

思ってもいない提案で

もう脳内がぐちゃぐちゃ、、、、

ネックレスは競馬で勝った時に購入したもの

ブレスレットくらいの値段だった

指輪は、今は使えなくなっているMカードのキャッシングで購入した

ブレスレットよりだいぶお高い、、、、

このブレスレット、ネックレス、指輪を

私はこう呼んでいたの

三種の神器

どうしよう、どうしよう、どうしよう

一旦お店を出る

箱や購入証明書があれば持ってきて欲しいとのことで。

店長さんの名刺もいただいた

家の近くまで戻って

ファミレスで散々悩んだ

悩んで悩んで、本当に悩んで、、、、

でも支払いを遅らせるわけにはいかない

売ってしまおう、、、

私は自宅に帰り

汚部屋の中から必死に箱を掘り起こして

あの日焼けお兄さんの元に戻って行った

なんとかお金を工面することができた

よかった、本当によかった

大切な物を3個も失ったけど、、、、これで良かったのかも

身の丈に合わないってこういう事なのかな

すぐにお金を自分の口座に入れて安堵した

3万円ほど余ったお金

パチンコでなくなりましたけど

日曜日に質屋を駆けずり回る、、、2