『妙見山』

リチア電気石　　標本幅　８０ｍｍ

リチア電気石

鉱物標本は、採集した時は湿っているからかも知れませんが、テリもよく良いものに見えるものです。ところが、持ち帰ったものは乾燥すると見栄えが悪くなりガッカリすることも多いです。この妙見山の物も多くはそうでしたが、中にはテリの良いものも少しありました。

『山の尾』

鉄礬柘榴石　　標本幅　55ｍｍ

鉄礬柘榴石

ベリル　　標本幅　180ｍｍ

山の尾では、ガーネットは直径1ｃｍくらいのものがパンニングでゴロゴロ採れたそうです。ベルリは、百円ライターほど大きさのアクアマリンと言えるものが採れたと聞きましたが、実際にはもっと大きなものが採れていたと思われます。ズリ拾いの苦手の私は、露頭を突付いて取り出しました。

『大正鉱山』

錫石　　ズリ採集でした。

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『高取鉱山』

トパーズ　　標本幅　70ｍｍ

トパーズ　　標本幅　40ｍｍ

通称『トパーズの谷(小さなトパーズの転石があった)』で、運良く細い脈を発見して小さなものですが上の画像のような標本を得ました。

トパーズ　　高取山付近

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蛍石　　標本幅　７０ｍｍ

蛍石分離結晶　　左から２番目　15x13x10

日本は、地質構造の変化が大きく、狭い国土の割には多種多様の鉱物が産します。しかし、立派な宝石が採れるという訳でもないので、鉱物標本を集める趣味人は少なかったように思います。最も、高度成長期にはエコノミックアニマルと称されるほど働き人種だったので、そんなマニアックな趣味を持つ人も少なかったのでしょう。現代は比較的余暇も持てますし、鉱物趣味を広げようとした先人たちの努力の結果、ミネラルフェアなどの催し物も多く開催されて趣味人口も確実に増えています。

私が鉱物採集を始めた切っ掛けは、以前にも書いたと思いますが、草下英明氏の著書『鉱物採集フィールド・ガイド』に出会ったからでした。その本の中に、「日本でも宝石が採れる」という項目があり、関東圏に住む私には近隣県である茨城県は実に魅力的に感じました。妙見山のリシア電気石、山の尾のガーネット、高取鉱山のトパーズなどが採れるというのです。しかし、現実に産地に赴いても、その本が刊行されて数年も経ちすでに遅きに失する感がありました。ズリは、多くの先人が採集した残りからおこぼれを授かるという感じでした。それでも、産地への立入禁止などがなされる前だったので、ズリ拾いの苦手の私でも露頭から小さなものですがいくつかの標本を得ることができました。小さなものでも、自らの手で得たものは大切な宝物となっています。

茨城県の気になる鉱物