中央ゆめな。彼女と出逢ったのは、2019年05月02日。

その日、僕は初めて地下アイドルのイベントを訪れていた。もちろん、大阪24区ガールズを見たのも初めてだった。


僕は港もえかちゃんの類い稀なるルックスに魅せられ、彼女の列に並んだ。そして、初めての来訪にも関わらず2周目をするために並んでいた。その日は混んでいたようで、もえかちゃんの列にはおそらく10人前後は並んでいた。

すると、そこに中央ゆめながやってきた。「今暇ですか?」、、、は?いやいや、並んでるんだが。この子は何を言ってるんだろうか。
しかし、ゆめなは構わずに続けた。「チェキ撮りましょう」。気が付くと、僕は中央ゆめなと初チェキを撮っていた。ストレートな可愛いさではないが、愛くるしい顔をしている子だなというのが初めての感想。


結局この日はもえかちゃんと2周目ができなかったし、港もえかちゃんに会うために大阪24区ガールズのライヴを見に出掛けた。5月11日、ライヴは昼と夜にあったけど、昼が無料だったので昼にする。トンボリリバーウォークでの野外ライヴ。
すると、センターで踊っていたのは中央ゆめなだった。ああ、あの子センターだったんだと思い彼女を見ていると、彼女の笑顔に吸い込まれそうになる感覚を覚える。楽曲を聴いたのは初めてだが、奇跡的にも僕の好きな系統のアイドル楽曲であった。気が付くと、ほぼ1曲中、僕が見ていたのは港もえかではなく中央ゆめなだった。

が、僕の天使は港もえか。特典会を訪れ、港もえかを探す。すると、中央ゆめなと目があった。「あ、あなた知ってる。嬉しい、また来てくれたんだ」ゆめなはだいたいそんな感じのことを言った。君に会いに来たわけではないとも言えず、彼女と二回目のチェキを撮る。港もえかちゃんともチェキを撮りたかったが、ゆめなが見ていたし気まずかったのでやめにした。


僕はその日、結局夜のライヴにも行くことにした。今度は野外ではなく、本当に地下といった感じのライヴハウスだった。ゆめなに見つかる前に、港もえかちゃんの特典会へ。が、そのあとに結局ゆめなに見つかる。特典会で、次は変わったイベントがあるから来てねと言われた。


そして、5月15日。僕は初ライヴを合わせた3日目にして早くも定期講演を訪れた。メンバーが目の前で焼いた、たこ焼きをファンが食べながら話すというイベントだった。実はかなり変わったイベントなのだが、地下アイドルをあまり知らない僕は、地下アイドルのイベントはこうゆうもんかとあっさり受け入れていた。
来場受付をしていると、受付をしている遠くからゆめなが手を振ってくれた。たこ焼きを渡されて、しばらくするとおにぎりもくれた。港もえかちゃんの前にも並んだが、この日を境に中央ゆめなが僕の一推しとなった。おそらくではあるが、中央ゆめなは、いや他の24区メンバーもたぶん僕は最初からゆめな一推しだったと認識されていると思う。


5月17日には仕事を休んで、ゆめなの初ユニットライヴ出演である月神夢神を見に行った。荒くはあったが、彼女の一生懸命なパフォーマンスには惹き付けられる何かがあった。僕の求めた可愛らしい天使ではなかったが、ゆめなはアイドルとして力強く輝いていたし、魅せるパフォーマンスができる類いのアイドルだったと思う。


6月22日~23日はTIFセカンドチャレンジのため、東京遠征についていった。いつもとは違う大きなステージに、いつもよりもかなり多い観客。短いファン歴にも関わらず、24区がステージに出てくると涙が止まらなかった。大きなステージでライヴをやれるのは決して当たり前ではなく、その偉大さを知った日だった。


それからはバーベキューオフ会に行ったり、ゆめなに嫌われたり、普通にライヴを楽しんだり、他にも色々なことがあった。そして9月5日、その時は無情にもやってきた。ゆめなが魅せたラストステージは、今までに見たどんなライヴよりも僕の心を熱くしてくれた。
この日よりも楽しかったライヴはまた見れるかもしれないが、この日ほど熱くなることはもう二度とないだろう。そう思わせられた、最高のステージだった。

こうして、僕の最も熱かった地下アイドルオタク期間は僅か4ヶ月で幕を閉じた。前年度から持ち越していた有給を含め、実に30近い有給を消化。ゆめなに魅せられ続けた4ヶ月だった。

我の強いゆめなと、メンヘラ気味な僕の特典会の相性はさほど良くはなく、楽しくない時期や明確に嫌われている時期が多々あった。
それでも、ステージで見るアイドルとしてのゆめなはあまりにも輝き過ぎていた。
未完成ながら魅せることのできるアイドルだったゆめなは、残念ながら未完成のままそのアイドル人生に幕を下ろすことになった。
しかしそれでも、ゆめなは確かにあの瞬間はそこにいたのだ。その奇跡としか呼べない巡り会いに僕はとても感謝している。
その後はアイドルを辞め、15歳となりJKとなったゆめな。そして、まもなく16歳を迎える。一度もゆめなの誕生日を直接祝えなかったのは残念だが、アイドルを辞めてもゆめなはゆめならしく生きていると信じたい。
短くも太い、最高最強のアイドル人生だった。少なくとも僕はそう信じている。