読者の皆さんの中で、自分の見た夢が妙にはっきりしていて、そしてその夢の中で見た出来事が未来で実際に起こったなんて体験をしたかたはいらっしゃらないでしょうか?私は小学3年生の時からそんな体験を積み重ねてきました。
そのときの夢はいつもの夢とは全く異質なものです。現実感があり、その夢の中の出来事をよく覚えており、またありありと五感でその夢の中の世界を体験しているような感じなのです。自分のその当時のリアルな意志を未来の自分のなかに入れているという感じです。夢を見た当時の自分の心が、夢の中の未来の自分の肉体に入っているという感じなのです。ですから夢の中で意志を持っていたとしても、自由にその意志を行動に結びつけることができない(夢の中の未来の自分が行動をしてしまう)、そんなちょっともどかしい感覚の夢でした。
基本的にその夢の内容は、未来の自分のごくありふれた日常風景の一コマがほとんどでした。そんな一コマの中からいろいろな情報を見聞きし、未来の世界を間接的に見ることができたのです。
一番最初に、その夢を見たのは私が小学3年生の時でした。お正月が過ぎて、成人式があった日だと思います。近所のお姉さんが晴れ着を着ていたのを覚えています。当時スイミングスクールに通っていた私は、その日昇級のテストがあり緊張と泳ぎで疲れ切って帰ってきたのでした。お風呂に入り食事をとり、テレビもそこそこに床についたのですが、ふっと意識を戻した瞬間、いや、というより意識を戻したと錯覚した瞬間そこには未来の自分の生活の世界が広がっていたのです。最初はもちろん気がつきません。現実と混同してしまいました。しかしどうやら様子がおかしい。
場所は学校のようです。ですが当時通っていた小学校の教室ではありません。何よりもおかしいのは周りがみんな自分より年上。そう、学ランやセーラー服をまとったお兄さん、お姉さんだらけなのです。
--あれ?あれ?いつの間にか僕はどこに来てしまったんだ?--
疑問がぐるぐると頭の中で回っていました。ともかくも今の自分の環境を納得させるために、思い切って目の前のお姉さんに場所を聞いてみよう。そう思って「ここはどこなの?」と口を開こうとしました。
--あれ?心でそうしようと思っているのにできないぞ・・・。ていうか手が勝手に傍らの鞄を開けている。なんだこの鞄?僕はこんなの持ってないぞ、なんだこのマークは?--
錨のようなマークが刺繍してある鞄を、僕の意識が入っていると思われる肉体はまさぐっているのだ。と思ったら今度は左側のお兄さんに声を掛けているみたいだ。お兄さんはすぐに振り向き僕に向かって「なんだよー、明日でいいじゃん」なんて返事をしてくる。意味がわからない・・・・。
--そうか・・・、なんだこれ?自分の意志はあるけどだれかの中に入ってるんじゃないの、今僕は?!--
無意識にそんな考えがさーっと入ってきた。果たしてその仮説は納得させるものであった。しばらく観察している内に、どうやら自分は今誰かの肉体に入っているみたいだ。ということはこれは夢なのか?
--でもなんでこんなクッキリしているんだ?それにここは今まで自分が体験したことのないところだ。いったいどこなんだ?--
疑問は新たなものが次々と表れたが、少し落ち着いてきた。でもとその疑問を自分なりに整理していく中で、だんだんと怖くなってきた。あまりにもリアリティーのある日常。今が日常なのか夢なのか判断がつかなくなってくる。
--このままこの世界で永遠に生きていくの?抜けれないの?もうお母さんに会えないの?--
そう思うとどんどん恐怖が増してくる。だけど自分の恐怖心とは裏腹に、自分が入っている肉体は関係ない動きをする。親しそうな中学生のお兄さんと話しているようだ。泣こうにも泣き叫べない。もどかしくて怖くて焦りが出て・・・・とそんななか記憶がとぎれた。
気がついた・・・という表現が適切なのかはわからない。だけど今いるこの世界は僕がよく知っている世界。そう、6畳一間の寝室で隣では弟が寝ていた。いつもの子供部屋だ。体はものすごくだるい。だけどいまどこからか戻ってきた、そんな感覚が胸一杯に広がってきた。素直にうれしかった。不思議な夢を見たなぁ。そう思って安心をした。
そう、そのとき僕は無意識にいままでの事を単なる夢と見ていた。そう、ちょっと変わっていたけど夢の一つにすぎない。そして時計を見た。まだ深夜の2時過ぎ・・・。そのまままた僕は眠りにつくのだった。
これが最初に私が体験した予知夢の一連の出来事です。後日また説明しますが夢の世界の中学校は、それから5年後の中学2年当時の僕の姿でした。そのときは翌朝起きたらもう次の関心事に移っていました。それがなんなのか忘れてしまったくらい、その夢の出来事はそのときはきれいさっぱり、単なる不思議なこと、で片づけられていたのでした。
しかしこれをきっかけに次々とこのような予知夢を見ることになるのでした。そしてこの次に自分が見た予知夢は非常に衝撃的なことだったのです。
(続く)