自宅カフェー開業 基本方針
自宅カフェーの経営方針について、もう一度考えてみよう。
これからは人口減少時代を迎えていく。
しかし、首都圏をはじめとする大都市圏については、地方から、また外国からもやって来る人たちによって定住人口や流動人口は増える見込みはある。
それ以外の地域については、確実に人口の減少が進み、地価や住宅の価格は下がり続けるのは間違いないだろう。
また、地方においてもマンション志向の方が増えている。
このような中で、戸建ての住宅を建てた場合、資産価値は今までよりも速いスピードで下落するだろう。
同じ戸建て住宅を建てるなら、店舗つき住宅にすれば収入も見込める。
また、資産価値は住宅のみの建物よりも高いはずである。
もしその資産を売却する場合でも、売却先が住宅よりも早く見つかるだろう。
自宅カフェーは、生活のにおいのしない雰囲気のよい佇まいでなければならない。
自分ののお気に入りの空間で、お客様の喜ぶ姿を見て自分もその喜びを共有するって楽しいのでは?
子育ても終わった中高年の資金的に余裕があって、お客さんをお迎えすることに喜びを感じる人にとっては、自宅カフェーは一考の価値があるのではないでしょうか?
自宅カフェー 店作り4
お店の設計にあたっては、スタッフが常にいる場所から、お客様の動線と座席に座った時の位置が見え、お客様の要望をキャッチできるレイアウトにすることが肝心である。
車が停まり、駐車場から降りてくる時から、勝負は始まっている。
スタッフは、この時から如何にいいサービスを提供するかという考えをめぐらして行動しなければならない。
それには、駐車場に車が進入してきた時に、厨房まで音が聞こえる工夫をしておくことである。
こうすれば、常に店の外を見ておく必要はない。音の気配で次の来店客への備えをすればいい。
玄関で第一声の「いらっしゃいませ」の声がだせるよう、スタッフが常に働く場所を玄関の傍に配置する。
そこに、厨房やレジスター、商品する包装する机などのスペースをまとめておく。
そこから、店内にいるお客様に対しても、この位置に立ってその要望を把握できるようにレイアウトしなければならない。
厨房はできるだけ小さいスペースで、スタッフの動線が短いほうがよい。
スタッフが動かずに、前後左右手を伸ばせば何でも用が足せるように調理器具を配置すべきである。
カウンター台が配膳棚になる。カウンターの台の下が流しと調理台、調理代の下が食器洗浄機になる。カウンターの上部は調理機器の設置も可能で、ドリンクや調理済みの具材が下へ流れ落ちてくるといった風である。
冷凍庫や冷蔵庫も必要最低限の小さなタイプのものを厨房に置き、入りきらない食材は自宅のスペースで別の冷凍庫や冷蔵庫に入れるようにする。
なお、美味しい料理には、やはり火力がものを言うので、換気扇は大型のものを設置すべきである。
販売商品を陳列する棚を設置する場合でも、常に働いている場所からお客様の要望が把握できるようなレイアウトにすべきである。
自宅カフェーは、小さなお店だからこそできるきめ細かなサービスが売り物である。
それを可能にするには、使い勝手をよくしたお店のレイアウトの研究が欠かせない。
設計士は、使い勝手を想像するのは得意ではない。だから、あそこの店はこうしているとかの既成概念で行う。
しかし、自分の店の使い勝手を一番よく分かっていなければならないのはスタッフである。
その実際に任務を行うスタッフが、ああでもない、こうでもないと時間をかけて、何度も何度も協議を重ね、最善のサービスと最大の省力化を兼ね備えた納得のいく建物としたい。
自宅カフェー 店作りその3
自宅カフェー開業にあたって最も注意を要する仕事である。
お店の入り口は最も吉相の東南の位置にこだわりたい。
北側は順光で外の風景がきれいに見えるので、庭を北側に配置するのは好ましい。
庭と建物は一体であるから、基本設計のとき一緒に考えなければならない。
四季の移り変わりを感じることができれば、お客から飽きられることを防いで、癒しを与える効果があるだろう。
建築材料は、お客の目に見えるところだけでも、無垢の材料を使いたい。
近頃、古材を使う例もあるが、やはり高価につく。 こういった無垢の材料は、事前の準備期間が相当の期間あれば、取り壊す家などがあれば安く手に入るチャンスはあるだろう。
庭や玄関のアプローチなどは石を使えば高級感ができる。
どちらにせよ、短い期間で突貫工事をしていては、いい建物はできない。
室町時代に作られた名園を訪ねたら、枯山水の小ぶりの庭ず多いので、現在の作庭に参考になるのが多い。
自ら優れた建物や庭を尋ねて、研究しセンスを高めておきたい。
設計士に任せっきりにするのではなく、時間をかけて、何度も何度も協議を重ね、納得のいく建物としたい。

