煌(こう)と光る店の隅にそっと
居続けして稼働の日を望む機種よ
否という灰色の烙印は
ヒット機の裏側に生まれた運命(さだめ)ね
流行(はやり)に埋もれた忘却の機種たちが
ささやかに佇む
道端並ぶ 傘地蔵のように
もう泣かないで
いまあなたを探してる人がいるから
お前を打ちたいよと
それはたぶん誰かのためにそっと
そのままでと残る現実(うつつ)なのね
時にひとりにも打たれない
人々の話題からこぼれた仇花(あだばな)だからね
諭吉が入るたび 外される日が伸びる
物好きにに請われて
古い評価を解かれた素晴らしい機種よ
もう泣かないで
いまあなたを探している人がいるから
お前を打ちたいよと
もう泣かないで
いまあなたを探してる人がいるから
お前を打ちたいよと