魔法のお金
昔々あるところにそれはそれはやさしい王様がいました。国が平和で豊かなのはよいのだけれど、それでもまだ貧しい人たちも多くいました。貧しい人たちももっと安心して暮らせないか、そう思った王様は大魔法使いに相談しました。大魔法使いは「お金持ちたちがもっとお金を使えばもっと皆が潤うのではないでしょうか。そのためにはお金を使わざるをえないようにいたしましょう。」と言って、使用期限を過ぎたお金(紙幣)が消えてしまうようにしたのです。お金(紙幣)の使用期限は1ヵ月。紙幣を誰かから受け取ったときには、その紙幣の表面に「31」の番号が現れます。1日ごとに数字が減っていき、「1」が表示された翌日にその紙幣は消滅してしまいます。
貧しい人たちは紙幣を1ヵ月も持っていることはありませんから、どうでもいいことなのですが、お金持ちは消えてしまうまえに使おうと、いろいろ買うものだから、家の中が物で溢れてしまいました。しようがないから、余った紙幣は使用人や従業員や取引先にどんどん配りました。
物はどんどん売れるし、仕事も増えて、みんなが大喜び、王様と大魔法使いとお金持ちたちはみんなから尊敬されるようになりました。めでたし、めでたし。
