いよいよ手術当日。手術は1日3人で、ワタシは朝一番の9時から。朝8時に、今日手術をする3人が集められ、一緒にセンチネルリンパ節生検なるものに向かった。摘出手術前にリンパ節への転移がないかを調べる一般的な検査だ。
一緒に移動したり待っている間、当然だが、手術は何時からだとか、先生は誰だとか、全摘か部分か、と言った会話になる。オバサンが3人集まれば当然だ(笑)手術はワタシが9時で一番、次の方は11時から、最後の方は14時からだった。全摘はワタシだけ、おふたりは部分摘出だったが、ワタシよりもガンが進行している方もいた。進行の度合いと全摘かどうかは、必ずしも比例しないし、ワタシのように2ヶ所にあればステージゼロでも全摘、ということもあるわけで、今さらながら乳がんへの理解が深まる。
このオバサン情報交換の最大の収穫は、乳腺外科の3人の先生の話だ。ワタシは外来ではずっとA先生で、昨日初めてT先生とH先生に会ったのだが、他のふたりは外来でも複数の先生に会っていて、あの先生はこう、この先生はこう、とまぁよく知っていて、びっくり! その中で、先生たち3人は常に情報を共有しているから、どの先生でも大丈夫、という話は説得力があった。量も質も求めるとなると、ひとりの優秀な医者よりも、チームとして医療行為が上手くできているかが問われるのは当然だろう。そういう面で、それまでにはなかったこのS病院の乳腺外科チームへの信頼感が増した。
9時、手術室に入った。そこにいたのはH先生だけだった。ひとりで手術はしないだろうから、ほかに誰が立ち会ったのかは、未だ不明だ。あっという間に全身麻酔され手術が始まった。
自分でも欲しくなるほど気に入った。