　土曜日に桐朋祭へ行って、月曜日には若い桐朋OBが運営するTOHO ALL TEAM のスペースに参加してみた。

　ネットコミュニケーションの良さは顔が見えないこと。自分は70に近くても全く忖度もアウェイ感もなく楽しい時間を過ごせた。

　公立の学校は教職員の異動があるので横のつながりと校舎しか残らない。

　一方、私学には強力な縦のつながりがある。一般的には学閥とか言うけれど、そうではなく、学校の価値を自分なりに認めたものが縦のつながりを共有できる。

　教育（学校）の評価は、偏差値とか進学率とか現世の数値化やリアルタイムの口コミしかない。だが、本当の教育の評価は社会での卒業生の活躍とリアルタイムでの学生の姿で決まる。

　この数年、東大進学率が落ち込み偏差値が円安並みだったのが、V字上昇しているのがその根拠だ。

　スペースの中で嵐山光三郎さんの『夕焼け学校』を紹介した。

　嵐山光三郎さんは、まだ雑誌『太陽』の編集長だった頃、学校へ講演に来た。もうはちゃめちゃな話だった‥。「右翼に日本刀で背中を切られて、応急処置でガムテープで傷口を貼りまくった」と言うような昭和武勇伝しか覚えていない。

「桐朋は自由か」の問いに若干違和感を感じる。

　自由というより『夕焼け学校』で描かれた楽観的な「いい加減さ」が自主性を育てていると言える。成績不振だった次男は、学校より父親からのプレッシャーが強かった。北海道の高校に転校した途端に学年２位の成績優秀者になった。大学院に進みたいと言い出したのも学校で培ったものがあるからだろうと思う。

　OBー現役ー学校を結びつけて力となるには、旧来の同窓会以外にもTAT のような新世代ネットワークが貴重だ。縦のつながりの存在を育ててほしい。

　ジジイは黙っていたほうがいいんだけど、みんな知らない凄い話がいっぱいある。若い教員は知らないだろう。

　横の糸と縦の糸‥ 私学出身者が知っている中島みゆきの歌の凄さでもある。

桐朋生OBのスペース