「ああ神様やっぱり一人は寂しいよ」
神様の像の前から幼い女の子の声が聞こえてくる
ここは昔々の名もない小さな島の小さなお城
お城には少女と使用人、兵隊以外誰もいなかった
幼いころに父と母を亡くし、両親からすべてを受け継いだ
キレイなドレスにおいしいご飯、何不自由なくすごしていた
しかし少女はそんなものよりもほしいものがあった
それは友
いつも元気にニコニコ笑っている少女にそんな願いがあるとは誰も思わなかった
この神様の像の前だけが本当の自分を出せる唯一の場所だった
「あぁ、どうか神様」
「あぁ、友をください」
「一人はやっぱりさみしいよ」
日課になった神様へのお祈りを済ませ、自室へ戻った
部屋で少しくつろいでいると、トビラから「コンコン」と言う音が聞こえた
「どうぞ」少女は音の主を招きいれた
「姫様、本日はいいお天気でございます。お部屋にこもってばかりいないで
散歩に行かれてはどうでしょう?」
使用人の一人がそう提案してきた
少女はその提案に従うことにした
数年ぶりに訪れたこの森は何一つ変わっていなかった
鳥の声と風の音だけがこだましている
「はぁー、気持ちいい風」
芝生の上に寝転がり、ぼーっと雲を眺めていた
「ん・・あー寝ちゃったのか・・」
雲を眺めているうちに寝てしまった少女
目を覚ますと太陽は傾き海がきれいなオレンジ色に染まっていた
「ガサッ」
「な、何・・!?」
何かが近づいてくる物音に少女は身構えた
「ガサガサッ」
だんだん近づいてくる
少女は逃げ出そうとした
その時
怪我をした1匹の狼が姿を現し、その場に倒れこんだ
少女は狼に駆け寄り「ねぇ、あなた大丈夫?待って!今手当てするから」
そう言って狼に触れようとした瞬間
「グルル・・」
狼は攻撃的な声を上げ少女の手をはねのけた
いきなりの攻撃に驚いたが、すぐに怖がっているんだとわかった少女は
「大丈夫、怖いことは何もしないから、あなたを助けたいの」
そう言いにっこりと笑った少女
慎重に手を伸ばすと少女の気持ちが伝わったのか今度は、はねのけられずに触れた
「ひどい傷・・少し待ってて人を呼んでくるから」