2023年6月18日の15時30分開演の池田泉州銀行、宝塚星組貸切公演を見てきた。
長らく休演していた星組の1789。
友人に誘ってもらって観劇予定だったけれど、当時はまさか休演明けの初回公演という貴重な日になるとは思ってもなかった。
同行の友人は、たまたま銀行さんからチケットを貰って宝塚ファンになった私を誘ってくれて、当の友人は今回が初宝塚観劇。
当日の午前11時公演まで休演だったって事すら、私に聞くまで知らなかった。
大劇場に着くと、ロビーはガラガラ!
いつもなら人だかりがある、大劇場前のゲートくぐってすぐ左側にある公演ポスターのドデカッイあれの前も、人っ子1人居ない。
何処もかしこも人がほんと少ない、お土産さんもお客さんがほぼ居なくて閑散としていて、レジ係のお姉さんも暇そうだ。
貸切来る人って、お土産屋さん行かないのかな。
ただ、そんな中キャトルだけは別だった。
こんなにガランとした劇場ロビー中で、キャトルだけは
「こんなに人が何処から湧いてきた⁉️」
って思うくらいわんさと人々が犇めいていた。
公演グッズや、舞台写真を手に取ってるファンから溢れ出てる熱気熱気!
たとえチケットが無くても、この聖地に来て何かグッズでも買って応援しよう!
そんな気持ちが伝わってくる。
私はいつも30分前の開場と同時に客席に座り、開場のブザーまでワクワクとパンフを眺めるので、初宝塚の友人にもそのように勧める。
座っててなんか違和感、客席がなかなか埋まらない?
通常より、集まりが明らかに鈍い••••••。
結局、開演のブザーがなって、銀行の偉いさんがマイクで話し始めても空席がチラホラとある。
この偉いさんの短い挨拶が終わった直後、礼真琴さんの来演お礼の挨拶アナウンスが入ったのだけど、結局空席は目立ったまま1789が始まった。
ちなみに私と友人の前の席も、終演まで空席だった。
この空席に、この公演までの休演に涙した沢山のファン涙との悲しみが重なる。
キャトルでグッズだけ買いに来たファンに空席を2幕からでも解放できたらみんな喜んで後日、感謝の口座を開いただろうに。
そんな夢のような展開は流石に無理だろうけれど、願ってしまう。
そして、さらに言うならば
フィナーレが始まった途端、後方出口に歩き始める年配の方々が20人前後。
まだ、大階段では多数の組子が音楽の中笑顔でシャンシャンを持ってやり切った笑顔と共に挨拶のお辞儀をしているのに、だ。
そうやってフィナーレも始まったばかりで帰ろうとする客につられるのか、その数はボロボロと増えていき
緞帳が閉まるや否や、走るように多数の客が後方の出口に通路が埋まりかけるほど殺到。
その様子を見て当たり前に初宝塚の友人も帰ろうとするから、慌てて大声で周りに聞こえるように
「今からトップスターの礼真琴さんの挨拶があるから、座ってて!」
と、まわりを見ながら言ってみたけど、緞帳が再び上がって、まだお疲れが取れてない様子の礼真琴さんが挨拶を始める頃には
客席は空席が目立ち、多数の客が舞台に背中を向けて出口に殺到、というとても悲しい状態になっていた。
本当に本当に、この目立つ空席やフィナーレから帰り始める客の状態を、再開初日の星組の皆さんに見せたくなかった。
色々大人の事情もあり、苦渋の決断で15時30分の銀行貸切公演からのリスタートとなったのだろうけど
要所の拍手もまばらのこの貸切公演よりも、ファンが集う11時公演の方を決行して欲しかった、と思ってしまう。
🌟主演ロナン 礼真琴さん
こんなに芝居は自然体で感情を乗せらせて、歌は心の叫びが胸に押し寄せるのに、耳に心地が良い
ダンスは言うまでもなくキレッキレ!
フィナーレのダンスは娘役を従えて、表情がザ、男役‼️
ってキザり方や流し目が正に礼真琴の真骨頂という感じで、長らくの休演明けのステージとはまったく感じなかった。
ただただ、舞台に引き込まれて感動して泣いて、応援して、と見どころしかなかった。
礼真琴さんこそ、私の中の宝塚トップスターである。
🌟オランプ 毎空瞳さん
本当に可愛い!!
その中で芯の強さ、強さの中に可憐さもキチンと出ている。
ただ、苦悩の表情のはずがたまに満面の笑みに見えてしまう。
今回はオペラグラス越しに、流れる涙も光っていてこちらまで泣いてしまう
🌟アルトワ伯 瀬央ゆりあさん
この悪役がコケると、雰囲気の全てがコケる要の役。
本当にビックリするくらい上手だった、まさに怪演!
歌も芝居も、下手したらコッテリと大袈裟になりわざとらしくなるであろう台詞回しを
嫌味の乗せすぎずあっさりし過ぎず、ちょうどいい塩梅の苦味と甘みのバランス。
最大のあの見せ場は、正に圧巻‼️
あの歌は音程の振り幅が白くて、低い音はかなり出しにくいところを艶を出して妖艶だった。
専科に行かれても「さすがは専科!」と言う立ち位置で大活躍になるのは間違いない。
🌟カミーユ・デムーラン 暁千星さん
初宝塚の友人が1番よかった!と言っていたのが暁千星さん。
友人曰く、何処にいてもとにかくキラキラと輝いてて存在感があって、イケメンだった、と。
山田涼介に雰囲気似ているものがある、自発光!
だ、そうです。
その昔、私が月組のエリザベートを見た時にルドルフ役の暁千星さんを
「とにかく可愛い、苦悩の時も顔がずっと平和」とか書いた記憶があるけど、その時からとにかくすごくオーラがあり目立っていた。
今回も安定の歌とお芝居。
もう少し男役としての表情のレパートリーが増えるとなお魅力的になられるだろうなぁ。
今回見ていると素の感情がたまにフッと出てくるのかな
自分のセリフがない時、スポットが当たってないと時にたまにそんな時があった気がする。体調にもよるのかもしれないけれど。
🌟マリー•アントワネット 有紗瞳さん
もう、そこに!ザ•アントワネット様がいたー!
歌もめっちゃめっちゃ透き通っていて高音も出ていて良かったのだけれど、演技に泣いた。
コロコロと奏でる声がとても耳に心地が良い
最初、あんなに退屈しのぎの遊びにアヴァンチュールにと溺れていたのに、最愛の息子の死やつらい境遇を乗り越えてやっと身も心もフランスの女王になった瞬間とか、鳥肌が。
この公演が退団に相応しい役であるのは間違いないれど、だからこそこの素晴らし過ぎるマリー•アントワネットの、その次が見れないのが悲しい。
宝塚という箱以外でも、どうか活躍してくださる事を願います。
🌟ルイ16世 ひろ香祐さん
実際の国王はこんな感じだと良いのになぁ、そうであってほしいなぁ。
と思わせる朗らかな国王さま。
国王として国を牛耳るには優しくて、遊びも知らず。
美しい王妃が他に愛人がいても、逆上して責めることなくそれをひっくるめて愛している。
自分より周りを信じてしまい、最悪の結果を迎えてしまったけれど。
とにかく星組の1789は全体的に、素晴らしい出来栄え‼️
歌うまさんと、演技の実力派揃い✨
11時公演が出来なかった、そんな境遇のなか開けたステージとは到底思えない、なんの目劣りも無かった。
ただ、惜しむべくは要所要所の拍手がまばらであった
事。
これは貸切公演だから仕方がなかったのかもしれないけれど、それがこの長い休演明けの今回の公演であって欲しくなかった。
星組の皆さま、大変な中最高のステージを、感動と涙を、楽しい時間を本当にありがとうございました。
どうか皆様の体調が万全で東京の千秋楽まで走り抜けられますように。