一期一会 | Martinのブログ

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新しく購入したギターを試奏しようと、ライブハウスに出かけた。右のテーブルには若いカップルが居て、9月に結婚するとか・・・。今から、新しい二人の人生のスタートって感じで、初々しい。彼氏の方が「なだそうそう」をカラオケで歌うというので、僕も、演奏で参加して、二人を祝福した。
その後、僕がギターの弾き語りで、J-WALKの「JUST BECAUSE」を弾いていたときに、スーツをきた男性6人が入ってきて、左のテーブルに座った。1人が、仲間を指さして僕に言う。「生ギターいいですね。実は、あいつ、癌で、もう死ぬのです。元気に遊べるのも今日が最後ってことなんで、何か、弾いてやってもらえませんか・・・」
冗談かとも思ったけど、いろいろ話を聞いていると、本当らしい・・・。
彼らの仲間の誰かがカラオケを歌いだすと、残りは、ピアノやドラムをめちゃめちゃ弾いている。音は外れまくっているが、彼らにとっては関係ない。ただ、一緒に演奏して、同じ時を過ごしたいのだと思った。
おまけに、僕の新しいギターまで、勝手に弾き出した・・・。
「いいよ、気の済むまで弾いていいよ・・・」心からそう思った・・・。

癌の男が僕に言う。「あなたにギターを弾いてほしいです・・・」
「えっ、何の曲を?」
「さっき、僕らが入ってきたときに弾いてた曲です」
「分かりました」

というわけで、最初で最後のセッション。

その後、社長と呼ばれる年配の男がエリッククラプトンの「レイラ」と「Tears in heaven]を僕の伴奏で歌った。彼は、クラプトンを歌い慣れていて上手い。僕の演奏も、泣きのギターで渾身の演奏だったと思う・・・。

音楽は色々な人をつないでくれるから不思議だね。

そして、店を出るとき、彼と強く握手してこう言った。

「生きて、5年後もここで会いましょう」


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