「俺、メンヘラ製造機なんだよね。」




そんな男を好きになってしまった。
なんなら関係を持ってしまったのでさらに闇深い。


ここでメンヘラ製造機男の特徴をご紹介しよう。
・とにかく優しい
・何に対しても肯定的
・連絡がマメ
・女友達が多い
・ハイスペックすぎず近寄りやすい
・元カノがメンヘラ


彼は最近仲良くなった友達の1人だった。
友人の家で宅飲みしていた時にキスされ、そこから恋愛感情に発展した。

なんてちょろい自分。
まあでもよくあるパターンであろう。

もちろん彼が私のことが気になっていたからキスした訳ではないことなど分かっている。

分かっているけどやはり気になる。それが女だ。


私は友人グループの関係を考慮し、
彼に自分の好意がバレないよう徹することにした。

すぐに彼氏が欲しい訳でもなかったので、
束の間の片思いを楽しむつもりでいた。


友人グループで飲んでいた時、
彼が私の前に座った。

私は照れや嬉しさを紛らわす為に
30分で5杯飲んだ。

その後も周りを巻き込み大量の酒を飲み、
タクシーへ担ぎ込まれたのである。

タクシーが50m程進んだところで
自ら下車を申し出た。




植木にリバース。





彼に自分のゲロを見られたのである。
こんな屈辱的なことがあるだろうか。

私が植木に顔を突っ込んでいる間、
彼はずっと背中をさすってくれた。


そして再度タクシーに担ぎこまれ、
友人は助手席に、私と彼は後部座席に。

どさくさに紛れて膝枕してもらい手も繋いでいた。

こういう大人になりたくなかった。

ごめん幼き頃の自分。
私はお酒の力を借りてエロいことをしています。


家の前にタクシーが着いた。
エントランスまで彼が付き添ってくれ、ここで大丈夫と伝えた。

フラフラしながら玄関へ向かうと彼は私に着いてきた。


私は玄関の前で再リバース(袋)


こんな屈辱的なことがあるだろうか。
2回も自分の吐き姿を見せてしまったのである。

その間も彼はずっと背中をさすってくれていた。

部屋は片付けていなかったので、
朦朧とする意識の中、死んでも部屋に入れないことは決めていたが、

玄関のリバースさえなければ、
もう少しラブロマンスに発展できたのではないかと後悔する。


私を送り届けた後、
彼はタクシーに戻る。

私はすぐ謝罪LINEを送った。






「〇〇すまんゆ、らぶです。」






すまんゆ。


でも彼はすぐに「最高!」と返信してくれた。


その後彼から電話が掛かってきていたが、
私はシャワーに2時間打たれている最中だった。

あの電話はなんだったのか。



次回
関係をもった日の話(続く)