さて、前回の続編です。アフター5に足持ちという宿直補佐のようなバイトをしていた(独身時代の旦那ですが)ことがあります。
夜の7時から朝の8時まで、社員の方と詰め所に待機します。何もないときは、晩ご飯を作って食べて、TVを見たり、ビデオを見て、寝て朝になったら昼の仕事に行きました(笑)いっぽうで、出る日は出ます!夏の酷暑が峠を過ぎる頃、あるいは冬の寒く冷え込んだ季節など、慣れてくると「今晩は出るな」と思えるようになりました。空調完備の病院でもそうなのは今でも不思議に思います。
ある夜、ご飯を食べてビデオでも見ようかと思ったら、病院から連絡を受けた会社の事務所から、私たちの詰め所に電話のベル、出動指令です。会社の濃いブルーの制服の上に白衣を羽織り、レンガ位のドライアイスに新聞を巻いた上に白い真綿を巻いたドライを入れたアイスボックスと枕飾りセットを持って寝台車で病院に向かいます。
この寝台車、知らない方には救急車と殆ど見分けが付かないかも知れません。しかも白衣を着た葬儀屋の担当者が伺うため、病院慣れした家族がそうと気が付くのは少し時間がかかるようです。こういう事もあって葬祭営業は最初から完全に業者のリードで進められる事が殆どのようでした。さて、ご遺体は既に地下の霊安室に安置されていて、社員の方が「このたびは・・」と挨拶を行い、霊安室のベッドから担送用のストレッチャーに移します。このとき社員が頭を、助手が足を持つのが足持ちの由来です。この段階で葬儀屋だと気が付くお客様は希です。
この時には既に社員の方の請負(営業)が始まっています。まだ業者が決まっていない場合は限りなく100%成功しました。会場や会葬の人数、祭壇・飾り・花・棺他を聞いて葬儀見積書を作成します。今は自宅葬儀が減り、会館葬が増えましたが、自宅葬の場合は普通の部屋から始めるため、部屋の片付けから祭壇の準備と大変でしたが、会館の場合は祭壇等が出来ているため、裏方としては大変助かるものです。また会館さえ建ててしまうと自宅のような手間が減る分、利益率は高くなります。ですから、自前の会館を持つのは葬儀屋にとっての大きな通過点になります。
なお、ご遺体を自宅に届けた場合でも、時には家で他の業者が待ってる場合もありましたが、この時は潔く引き継いで、担送料だけを頂いて帰るのが業界の掟のようでした。ちなみに、業者が決まってるのだったら、最初からその業者を呼べば担送料は普通かからないことは①で述べた通りです。

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