二見から鳥羽へ向かう道、
国道42号線を進むと、左手に森があります。
と言っても、森のような場所ばかりなので
知らないと気づかなそうな場所。
『松下社』という神社があります。
ここはさすがにご存知ない方も多いかもしれません。
松下地区の氏神様なのですが、
樹齢2000年とも言われる木があり、
静かで不思議な空気感のある神社です。
(樹齢2000年の大木は写真撮りそびれました…)
御祭神は
素盞嗚尊(すさのおのみこと)
菅原道真
不詳一座
とのことで、創建も不詳なのですが、
蘇民将来の家があったとされる場所です。
この森は蘇民の森と呼ばれ、
伊勢では
“蘇民将来子孫家門”と書かれた注連縄を
一年中、門口に吊るし、飾っています。
(最近は“笑門”の注連縄を飾る家も多いです)
蘇民の祠↓
昔々、
ある家に貧しい姿の男が旅の途中に
裕福な巨旦将来の家で泊めて欲しいと頼みました。
巨旦は「そんな汚い身なりな者を泊められるか」
と拒否し、追い出しました。
旅の男は、その後、巨旦の兄の蘇民将来の家を訪れ、
泊めて欲しいと頼みました。
蘇民将来は旅人を泊め、
貧しいながらもできる限りもてなしました。
その姿に感動した旅人は、
自分がスサノオであることを明かし、
茅の輪の作り方を教え、
その茅の輪を門口に飾るよう伝えました。
『今後、疫病が流行る。
茅の輪の飾り、
「蘇民将来の子孫である」と名乗りなさい。
其方の一族は皆疫病から守られる』
そう言い残して去っていきました。
その後、本当に疫病が流行り、
兄の巨旦の一族は疫病にかかり滅びたのに対し、
弟の蘇民の一族は疫病にかからず繁栄したそうです。
そのような謂れから、
伊勢では“蘇民将来子孫家門”の
注連縄を飾るようになったとのことです。
この松下社では、古くから、
蘇民将来子孫家門の注連縄を作り、
毎年、年末に販売されています。
大祓式の時に潜る茅の輪も、
この蘇民将来の逸話が元になっています。
↓本殿
松下社の写真は、
コロナ禍の時のもので、
コロナが終息するよう祈ってきています。
伊勢も、私の地元も、
年中玄関口に注連縄を飾っているので、
関東へ引っ越してきて、
注連縄がお正月だけのものと知り、
何気に驚いたのでした。
我が家は今は飾ってないのですが、
本当は“笑門”を飾りたい…
実家は飾ってます。
二見ヶ浦へ行ったら、
この松下社も立ち寄ってみてください。
夏場は虫除け必須です!