太宰酔い

先日の美容院でちょっと集中して読んでみたら、安吾もいいなぁと思えてきました
……でもまだちょっと文体に慣れない

とはいえ

文体は読みやすけりゃいいってものでもありませんね
……いろんなイミで

私思うに……
読みやすいがゆえに危険な作家がひとりいるのではないかと

太宰治です

太宰作品は、
水のように飲みやすいのに、
とてつもなくアルコール度数の高い酒
のようだと思います

尋常じゃなく読みやすい文体で、どんどん読めてしまいます
でも、読み終わった後の、絶望感ったら……
いつの間にやら太宰の世界観に取り込まれて、読後しばらく動けなくなりませんか
脳が太宰治の価値観によって麻痺させられていく気がします

私はこれを太宰酔いと呼びたい

気持ちいいんですけれど、絶望感でいっぱい……ってつまり悪酔いですね
（そこが良いところだけれど）
さらに太宰酔いの恐ろしいところは、二日酔いもすることですね
夜中に読もうものなら、翌昼ぐらいまで太宰の世界観から抜け出せません
それにきっと依存性もある

とはいえ
お酒は楽しく、ほどほどに
と言いますが、
太宰はほどほどじゃ楽しくない

読むだけ読んで、酔いつぶれるのも悪くないと思います