はじめに

ーイノベーションは、「サボりたい」という気持ちから生まれるー

 物事を処理するには、些細で煩雑なことは切り捨て、本質的なものを簡単明快に掴むのがよい。


ーイノベーションは、そもそも「サボりたい」という気持ちからうまれます。ー

カナン人はラクに読み書きできる略字はないかと考え、簡単な「原カナン文字」を考案した。


ー「知的生産性」を高めれば、自分も働き方も変わるー

知的生産とは自分の頭で考え工夫をし、仕事の時間を減らして沢山の量をこなし質を高めること。


ー貧しくなるのが嫌なら、知的生産性を高めるしかないー

日本の高齢化社会に伴う支出をカバーし、豊かになるには知的生産性を高めるしかない。


第1章 日本の生産性が低い理由

なぜ、働いても、日本は豊かにならないのか?

ー今の日本の状態は、「骨折れ損のくたびれ儲け」ー

日本年間2000時間労働でGDP成長率0.9%。ユーロ圏は1300〜1500時間で成長率1.9%


ー日本の高度成長を支えた「3条件」ー

冷戦とアメリカへのキャッチアップ、人口ボーナス期にあったことが日本の高度成長を支えた。


ー「工場モデル」から脱却しなければ、働いても貧しくなるだけー

日本のGDPはサービス産業が3/4を占めており、労働時間より成果とアイデアが生命線である。


サービス産業モデルの評価軸は、「労働時間」ではなく、「労働生産性」

ー「新卒一括採用→終身雇用→定年制」には無理があるー

低成長と人口減、サービス産業中心の社会では新卒一括採用→終身雇用→定年制は無理がある。


ーサービス産業モデルで評価されるのは、自分の頭で考える人ー

サービス産業のモデルで評価されるのは自分の頭で考え、新しいアイデアを出せる人。


「メシ・風呂・寝る」から、「人・本・旅」に切り替える

ー「長時間労働が生産性を上げる」というデータはどこにも存在しないー

「長時間労働を続けると生産性がら落ちる」というデータは山のように存在し、その逆はない。


ー今の時代に必要な「生活の基本」とは?ー

アイデアやサービスといった無形のものを生み出すには「人・本・旅」の生活が必須。


頭が良くなる3つの学び方

ー同じような人に会わず、いろいろな本を読み、似通った場所には行かないー

自分の中に「人・本・旅」で様々な情報や知識を蓄えるとアイデアを生みやすくなる。


人・・・・同じような人とばかり会わない

多様な人と会うこと「ダイバーシティ」が大切


本・・・・食わず嫌いをやめて色々な本を読む

歴史、文学、哲学、思想、宗教、美術、ビジネス、マンガなど、どんな本でと読むこと。古典は無条件に良書。


旅・・・・現場を知る

若手はもちろん経営者も現場に出て、身をもって体験すること。真実は現場の中にしか存在しない。


ー「人・本・旅」が柔軟な思考を生み出すー

「人・本・旅」で大量にインプットを増やすと物事を柔軟に捉えられるようになる。


「イノベーション」=「知識」×「考える力」

ー「おいしい生活」=「色々な知識を身につける」×「考える力」ー

色々なことを知り、自分の頭で自分の言葉で考えて、はじめて美味しい生活が送れる。 


ー既存地の組み合わせがイノベーションを起こすー

豊富な知識を自分の頭の中で組み合わせ、既存知の距離が遠いほど劇的なイノベーションは生まれる。


「女性」が活躍しなければ生産性は上がらない

ー女性を登用しない会社は、市場から取り残されるー

日本の産業構造はサービス産業が主になっており、消費者は6〜7割を女性が占める。なので顧客のニーズを掴むには供給サイド(企業)にも女性が必要。


ー工場モデルが続くかぎり、女性は輝かないー

長時間労働が是正されなければ、女性の家事の負担が解消されず女性が社会進出できない。


ー残業規制とインターバル規制笑導入すれば、生産性は上がるー

長時間労働を是正し、女性が輝く社会を作るために、「残業上限規制」「インターバル規制」の導入を検討するべき。


残業上限規制 

ヨーロッパのように年間の就労時間で1500時間以下を目指すべき


インターバル規制(勤務時間インターバル規制)

EUでは労働者の健康を守る観点から、24時間につき「最低連続11時間」の休息が定められている。(仕事に関する1日の拘束時間は13時間が上限となり、1日当たりの労働時間を制限できる。)


第1章 まとめ

 今、日本のGDPは3/4がサービス産業が占めている。サービス産業では労働時間よりも労働生産性(成果とそれをもたらすアイデア)が生命線である。

 サービス産業の生産性を上げるには、新しいアイデアやユーザーと生産サイドのマッチングが不可欠である。サービス産業の購買者の6〜7割は女性なので売れる商品やサービスを作るには女性のアイデアがマストなのだが、日本は女性の社会進出が遅れている。女性が輝く社会を作るためには長時間労働を是正し、男性も家事、育児、介護を女性とシェアしなければならない。そのために「残業上限規制」と「インターバル規制」を導入するべきである。


第2章 新しいアイデアを生み出す「考える技術」

知的生産性を高めるには、社会常識を疑い根底から考える以外に道はない

ーゼロ・トゥ・ワンの人材がこれからの未来を開くー

「ゼロベースで考える力」と、「1を聞いて10を生み出せる力」を持つ人材が未来を開く。


ー知的生産性を上げる5つの視点ー

①無減代で考える

②「なぜ」を3回繰り返す

③「枠」や「制約」の中で考える

④「数字、ファクト、ロジック」で考える

⑤考えても仕方がないことは考えない


視点①無限大ではなく、「無減代」を考える

ー無くす、減らす、代用するー

「無」・・・なくす(無視する)

本当に必要な仕事を見極め、言われた仕事を全部やる必要はない。上司の指示を無視する。


「減」・・・・減らす

「無」なくせないなら「減」らすこと。

「この仕事はもっと減らせないか?」「今迄10枚で書いていたレポートを3枚に減らせないか?」


「代」・・・・代用する

「代」は代用、使い回しのことです。

「この仕事は、他の何かで代用(使い回し)できないか?」


ー省略できる仕事は、いくらでもあるー

「ここ仕事は何のためにやるか」を突き詰めて考えたら、省略できる作業はいくらでもある。


視点②「なぜ」を3回繰り返す

ー「考える」=「原落ちする」ー

なぜを繰り返し腹に落ちるまで理解できると、仕事を早く、深く覚えることができる。


ー社会常識や前例は、真理だとはかぎらないー

社会の価値観や、常識や、成功体験を鵜呑みにせず、自分の頭で疑って、考え抜くことが大切。


視点③「枠」や「制約」の中で考える

ー「制約の中で考える」ことでブレイクスルーが起こるー

ワーキングマザーは「無減代」を実践し、知的生産性を高め、70点の仕事で定時で退勤する。


ー仕事と子育てを一緒にしたほうが、生産性は上がるー

子連れ出勤をすると工夫して仕事をこなすようになり、知的生産性が高まる。


視点④「数字、ファクト、ロジック」で考える

ー成功体験を忘れて、ゼロベースで考えるー

・数字・・・・相互に検討可能なデータのこと

・ファクト・・・・データに関連する事項や過去に起こった事実のこと

・ロジック・・・・数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること

知的生産性を高めるには、数字、ファクト、ロジックを踏まえて、ゼロベースから新しく発想することが求められる。


視点⑤ 考えてもしかたがないことは考えない

ー悩んでも結論が出なければ、コインやあみだくじで決めるー

取捨選択の基準は好き嫌い。2択でどちらも同じくらい好きならコインの裏表、3択以上ならあみだくじで決める。


ー「考えない」ことが役に立つー

考えても仕方がないことは考えないほうがむしろ合理的。


ー考えてもわからないことを考えるより、歴史を勉強するほうが役に立つー

未来のことは仮置きして置くだけで、過去の教材(歴史)を勉強する方が適応力は増す。


モチベーションが続かないのは、「原落ち」するまで考えていないから

ー「行動力」に必要な2つのことー

行動力の源泉になるのは、責任感や義務以上に、腹落ち感。


ー考えを言語化すると、要点が整理されるー

腹落ちしたことをきちんと自分の言葉で「言語化」すれば、要点が整理されて行動しやすくなる。


ルールに従えば、自動的、機会的に行動できる

ーマイルールを決めると、「悩む」ことがなくなるー

ルールを決めると判断の省力化、ルールに従って行動すると大きな成果を得ることができる。


ールールを決めたら「例外」は一切認めないー

「腹落ちするまで考えた上で決めたルール」な

ら誰でもルールを守ることができる。


腹落ちしたした以上は、全力投球する

ールールを決めたら、あとは「オール・オア・ナッシング」ー

腹落ちしやると決めた以上は全力投球する。人生全て「オール・オア・ナッシング」


腹落ちするまで考えると、自己暗示がかかる

ー自己暗示をかけると、どんな局面でも楽しめるー

腹落ちすると、「自分で決めたことだから一生懸命やろう」と自己暗示にかかりやすくなる。


ー他人に宣言すると自己暗示につながりやすいー

他人に宣言したり、SNSに投稿するのも、自分の考えが言語化され腹落ちするしやすくなる。


第3章 まとめ

サービス産業の下で生産性をあげるには、

①無減代(仕事を無くす、減らす、代用する)

②なぜを繰り返し、腹落ちするまで考える、社会常識に捉われず自分の頭で考える

③「枠」や「制約」の中で考える

④「数字、ファクト、ロジック」で考える

⑤考えても仕方のないことは考えない

が大事。

自分の頭で考えて腹落ちすると、自己暗示にかかりやすくなり、やるべきことに全力投球できる。

自分の行動をルール化すると判断の省略化、大きな成果を上げられる。


第3章 最小の労力で最大の効果をあげる「インプットとアウトプットの技術」

考える力が育つ「情報収集力」の技術

ー「新聞」を複数紙読むと、考えるヒトントが見つかるー

新聞はニュースに価値の序列をつけている。それが新聞ごとに違い考えるヒントになる。


ー新聞、インターネット、本を使い分けるー

・「新聞」を読んで直近の情報を知る ・わからないことはネットで調べる。情報の全体を知りたいときは、「本」を活用


仕事がうまくいかないのは、インプットの量がすくないから

ーわからないことは、腹落ちするまで調べるー

数字、事実、論理で考えるには正確なデータが必要。わからないことは納得するまで調べる。


ー「アイデアが天から降ってくる」ことはありえないー

インプットの絶対量が少ないと、判断の精度は高まらず、発想の幅も広がらない。


インプットの量を増やすのは、質の高いアウトプットを行うため

ー若い頃の僕が「異端」と言われた理由ー

仕事を溜め込まない。指示を待たない。自分で仕事を決めて、形にする。すぐ片付けて次に渡す。


ー生産性を上げるには、すぐにアウトプットするー

仕事を溜め込まずどんどんアウトプットすると生産性はあがる。アウトプットの回数を増やす。


最小の労力で「アウトプット」が最大化する習慣

ーアウトプットで、「記憶力」がよくなるー

「記憶力」は出力しないと鍛えられない。つまりインプットよりアウトプット。


ー考えは言語によって整理されるー

頭の中を整理するには、①人に話す②文章に書いて人に見せる。内容を自分の言葉に置き換える。


影響力を高める「スピード仕事術」とは?

ースピードこそ、極めて重要な経営資源ー

意思決定のスピードを上げると、できることが増えていくため、生産性は上がる。


ー「影響力=仕事量(アウトプット)xスピード(時間)」ー

"インパクト(=影響力)=仕事量(アウトプット)×スピード(時間)"人間にとって最も有限な資源は時間


ーAPUの特徴の1つは、意思決定が早いことー

APUは部署の裁量が決められていて、また本質を的確に掴む。よって決定スピードが早い。


ーAPUから届いた「助けてください」のメッセージー

企業でも設備投資を決めたあと、借入か株式発行かで考える。スピード感が大事。


一番身近な「なりたい人」が成長の起爆剤になる

ーロールモデルを参考にして、自分の仕事のやり方を見直すー

仕事で成長するとは、「無減代」を実践できること。ロールモデルを見つけて真似ること。


ー星取表をつくって、ロールモデルを上回る仕事を考えるー


第5章 明るく楽しい職場を作る「コミュニケーションの技術」

部下を叱るときの3原則

ー「怒る人間はみんなバカである」ー

①3回褒めて、1回叱る

1回叱ったら3回以上ほめることが必要。それ以上叱ると、人は自信を失なってしまう。


②1対1で叱る

人間はプライドが高い動物なので、叱るときは、個室で1対1が基本。


③具体的に叱る

感情的に怒りをぶつけず「なぜ、キミを叱るのか」「どこがダメだったのか」を数字、ファクト、ロジックで具体的に説明すると相手も納得しやすい。


仕事のイノベーションの真髄は、「楽しい」という感情が原点

ーリーダーは3つの鏡を持たなければならないー

①銅の鏡 

上に立つ人間は、いつも元気で、明るく、楽しい表情をしていなければならない、それができない人は、そもそも上司になってはいけない。


②歴史の鏡

過去の出来事(歴史)を教材に、似たような出来事に見舞われたときに、上手に対応する。


③人の鏡

人を鏡とし、その人を手本として、自分の行いを正すこと。上司は間違いを直言してくれる人をそばに置くこと。


リーダーの最も重要な役目は、「スタッフにとって、元気で、明るく、楽しい職場をつくること」


生産性を上げる一番の起爆剤は、「楽しい」あるいは「おもしろい」という感情

楽しく面白くする工夫の4Ps

①Project

どんな仕事でも目的があるはず。つまり仕事はすべてプロジェクト。


②Passion

どんな仕事でも「やる気」は不可欠。


③Peer

1人でできる仕事はどこにもない。あらゆる仕事はチーム、仲間(Peer)と助け合って行うもの。


④Play

遊び心です。冗談を言ったり多少はふざけてみたり、つまり「楽しく」「おもしろく」なければ、仕事は長続きしない。


ー好き嫌いがあるのは当たり前ー

上司に好き嫌いがあるのは当たり前。本質は「フェアか、アンフェアか」不公平があってはならない


人生で一番大切なことは「正直」であること

ー表面を取り繕う人生は、楽しくないー

いつでも、正直に、自分の感情に素直に、本当に思っていることだけを話すと楽。


ー「正直さ」を重視しない日本企業ー

リーダーの資質として最も大切なものは正直さ。裏表のないリーダーはハシゴを外されない。


自分の考えを正直に表明したほうが、心が楽になる

ー相手が誰であれ、「その時に思ったこと」を正直に伝えるー

相手が誰であれ「その時に思ったこと」を正直に伝える。そのほうが、心がラクになる


ー来る者は拒まず、去る人は追わずー

ありのままの自分でいること。ありのままの自分に来る者は受け入れ、去る者は追わず。


人脈は「つくる」ものではなく、結果的に「できる」もの

ー会いたいと言われたら、決して断らないー

「損得」で人と付き合っても親しくなれない。人脈は作ろうとするものではなく結果である。


ー偶然の出会いを大切にするー

人生は川の流れのようなもの。偶然の出会いを繰り返しながら人生を構築していくのが人間


ー人脈は、飲んだ回数に比例するー

飲みに誘われたら断らない。人脈は、飲んだ回数に比例する。


第5章まとめ

部下を叱る時は1対1で、頭ごなしに叱るのではなくどこが悪かったのか「数字、ファクト、ロジック」で叱る。1回叱ったら3回は褒める。リーダーは元気で明るく、楽しい表情をし、良い雰囲気を作ること。仕事を楽しくする4P「Project」「Peer」「Passion」「Play」。上司が部下に対して好き嫌いがあるのは当たり前で大事なのは誰に対してもフェアでいること。自分の感情に正直に。ありのままの自分でいて、来る者拒まず、去る者追わず。人脈を作ろうとするのではなく一期一会を大切に。


おわりに