2025年本屋大賞受賞作。
 カフネとは愛する人の髪に指を通す仕草―翻訳できない世界の言葉だそうです。
 1日で読んでしまいました。
 長年の不妊治療の断念、離婚、弟の死。度重なる絶望に生活は荒み、食生活は荒れ、酒に逃げる。心が疲れると気力がなくなり、片付けが食事がないがしろになっていく。心も体もボロボロになってしまった時に救ってくれたのが、心のあたたまる食事。体を心をも満たしてくれた真心。丁寧な食事はそのどちらも満たしてくれるのだと感じました。
 
 一回りも離れた女同士の辛辣でユーモアで二人のやり取りには思わず声を出して笑ってしまいました。同性愛、同性パートナーについても多く描かれていたように思います。
 giveとtake。常に与える者が与える者で在り続けることはなく、与えられる者が常に与えられる者で続けることもない。与える者が与えられる者に、与えられる者が与える者に変わり続ける。食べ物はどちらになるだろうか、どちらにでもなりうるはずなのです。