保育士してた頃、
職員旅行で、
劇団四季のミュージカル
「ライオンキング」を観に行きました。
ほぼ、初めての本格的なミュージカル観劇。
歌も ダンスも 音楽も 衣装も 舞台装置も
本当に素晴らしくて、
人間ってこんなにすごいんだって、感動した。
その年、私は、年長児の担任。
発表会の出し物、子ども達と相談して、
「エルマーのぼうけん」の劇遊びをすることになったの。
「エルマーのぼうけん」は、子ども達が大好きなお話。
幼児向けにしては、かなり長い物語で、
絵本というより、児童文学。
コツコツ、数ページずつ読み聞かせをしてた。
エルマー少年が、囚われた竜を助けに行く話。
先々で、いろいろな動物たちに出会い、危機を乗り越えていく。
登場人物は、エルマーと動物たち。
私としては、あの「ライオンキング」の舞台がふわーっとよみがえって、
いろんなイメージが湧いてきて、
ミュージカル仕立ての「エルマーのぼうけん」が出来上がりました。
イノシシがナレーター役を兼ねて、
場面ごとに、ちょこっと出てきて
太鼓をたたきながら、
♫ だれかが、島にやってきた
♫ だれかが、島にやってきた
♫ ○○△△ あやしいぞ
って、歌うの。
子ども達と一緒に
お面作ったり、道具作ったり、歌うたったり、
楽しかったな~
私は、絶対 「劇の練習する」 って言わない。
毎日、「練習」なんて、つまらなくない?
やらされてる感、満載。
私は、「エルマーごっこ、やろう!」って言う。
毎日、みんなで、大好きなお話の「ごっこ遊び」をする感じ。
そういうと、
「やりたくない子は、いないんですか?」
「遊びだと、やりたくない子はやらなくてよくなってしまいそう」
なんて、心配する?
「やりたくない子」は、たま~にいます。
何かで、すっごくご機嫌ナナメだったりして。
そういう時は、
「やらなくていいよ。代わりに、お客さんになって。」
と言って、客席側から、見ていてもらう。
「後ろまで、みんなの声が聞こえるか、確かめてて」
なんて、頼んでみる。すると、
「○○ちゃんの声が、ちょっと聞こえにくいなー」
「下を向いてると、お面が見えにくいなー」
なんて、監督気取りで、アドバイスしてくれる。
最後に、他の子たちに
「今日は、Aくんが、お客さんだったけど、どうだった?」
と、聞いてみる。
「Aくんに聞こえるように、大きな声で言えたよ」
なんて、思わぬ「Aくん監督」効果が出たりして、
まんざらではないAくん。
でも、そのうち
「でも、Aくんがいないと、セリフがたりないよ。」
「Aくんも、一緒にやりたかった。」
なんて、声も出てくる。
次の日、Aくんは、もう「やりたくない」なんて、言わない。
すっごく張り切って、劇遊びを楽しめるようになってる。
なんなら、大きな声で上手に言えるようになったりしてる。
(一度、客観的になることで、気づきがあるんだろうね)
だから、ちょっとやそっと、やりたくない日があっても、
ガタガタ、ジタバタしない。
もし、それで、多くの子が、みんな毎日やりたくないんだとしたら、
それは、その活動自体に、問題があると思うよ。
根本から、見直すべき。
強制したり、罰をチラつかせながら
やるようなことではないからね、本来。
発表会も、劇遊びも。
発表会までの期間、紆余曲折があったりするけれど、
そこを乗り越えて、
子ども達の成長や、優しさや、粘り強さや、
創造力や、そのほか、色々な姿が見れて、
一緒に感じられて、
本当に、楽しかったなー