友達との間でトラブルが起きた時、まず「言葉によるコミュニケーション」での解決が大切だということは、前回お話しました。
(参照:「ごっこ遊び」の中で育まれるもの(4)~言葉によるコミュニケーション)
今回は「問題解決能力」の中の「解決の方法」について、お話します。
例えば、おもちゃや遊具の取り合いになった時、どんな「解決の方法」があるでしょうか。
まず、「早いもの勝ち」。
子どもの世界の原則は、これだと思います。
でも、一人の子が、ずっとそのおもちゃや遊具を占領していたら、トラブルはまた始まります。
「○○ちゃんばっかり、ずるい!」
「貸してって言っても、貸してくれない・・・」
そこで今度は「順番」という方法がでてきます。
「次に貸して。」
「うん。あとでね。」
少し大きい子になると、
「10数えたら、交代して。」
など、時間を区切って交代しようと提案したりもします。
ブランコなど、遊具の場合は、このような方法がよく取られます。
それから、どうしても決着がつかない時には、「ジャンケン」という方法もでてきます。
「ジャンケンで決めよう。」
「うん。いいよ。」
「ジャンケンポン!」
負けた子「やっぱり、三回勝負にしよう!」
おやおや・・・
そんな知恵(?)もついてきたりもしますが、何とか公平に、お互い納得できる方法を、子ども同士考え合って、トラブルを解決しようとします。
だから私たち保育者は、子ども同士でトラブルが起こっても、すぐには間に入ってはいきません。
耳をダンボにして、横目でチラリチラリ成り行きを見守っています。
「言葉」で「方法」を探りあう子どもたちを、私は素晴らしいと思うのです。
時には、一方的で、あまり公平とは言えない方法にたどり着くこともあります。
大人は一言言いたくなってしまう場面ですが、双方が本当に納得できているのなら、その場はそれでいいのではないかと、私は思います。
それが子どもの世界ですし、因果応報、有利だった子が、逆の立場に立たされる場面もきっと訪れるのですから。
長い目で見て、平等・公平・譲り合いということを学んでいければいいわけです。
ただし、その場合、不利な結末を迎えた子の様子は、しっかりと見届ける必要はあります。
平気そうなら問題はないのですが、不服そうだったり、悔しそうなようすが伺えたら、さりげなく「どうかした?」と声をかけます。
不満があるようなら、気持ちを汲んで、助け舟を出します。
相手の子に
「△△君は、本当は悔しいみたいだよ。
もし、あなたが、そうされたら、どうかな?」
と、もう一度、その方法について考え直すよう促したり、
「こんな方法もあるよ」
と、アドバイスをすることも必要だと思います。
自分たちで考え、時に大人の助けを借りて、子どもたちは、場面に合った公平な「解決の方法」を学んでいくのです。
でも、いくら公平な方法が提案されても、
どうしても譲れず、
泣いたり、
強情を張ったりして、
うまく収まらないこともあります。
そこで、次の「問題解決能力」の一つ「自己コントロール」の力が必要になってきます。
このお話は、また次回に。
(HP「ゆっこせんせいのおもちゃ箱>コラム」より)