保育士だったころの話。
A君(約1歳半)が、風船を投げて遊んでいました。
勢い良く投げるので、どうしても、風船が自分の後ろへいってしまいます。
投げた後、一瞬、風船を見失い、きょとんとした顔をしてから、ぐるっと回って、風船を見つけ、うれしそうに拾ってきます。
何度も繰り返す、その様子がかわいくて、そばにいる保育者は、みんな、にこにことA君を見ていました。
すると今度は、風船を見失った時、肩をちょっとすくめて、両手を広げ、「なーい!」と一言。
保育者たちが大笑いすると、またうれしそうに風船を取りに行きます。
ぽーんと投げては・・・ 「なーい!」
ぽーんと投げては・・・ 「なーい!」 ・・・
保育士「あはは・・・A君、イリュージョンだね、これは」
A君にとっては大発見の不思議体験。
自分の投げた風船が一瞬のうちに、目の前から消えてなくなるのですから!
偶然起こったことだけれど、この時期の子ども達が大好きな「いないいないばあ」遊びの一つの形です。