今日、後悔したできごとがあった。
 
それは、母を観劇に連れて行ってあげなかったこと。
 
とあるsnsの観劇コミュニティの書き込みで、
博多座の「天使にラブソングを」の公演が終わったことを知った。
連日、多くのお客様がいらしてたこと、
そして森公美子さんが楽日の挨拶で涙されたことを知った。
 
「あっ!」
と思った。
 
そういえば、「エリザベート」を母と観に行ったとき、
「天使にラブソング、面白いから友達と観に行くといいよ」
って話しをしたんだった。
そのとき、母がチラシを持って帰ったのを覚えている。
 
「天使にラブソングを」
あたしは大阪の梅田芸術劇場で
友達と観た。
友達はミュージカルはずいぶん昔に一度みただけで
ほとんど記憶にないという。
そういう人をミュージカルに連れて行くとき、
演目選びに気を使う。
だって、好きになってほしいから。
ミュージカルを、楽しいものだと思ってほしいから。
 
結果、「すごい、楽しかった!」と言ってもらえた。
 
 
森公美子さんが、楽日の挨拶で涙されたと聞き、
「母を連れて行けばよかった」と激しく後悔した。
 
一度、観た演目だったから。
そして何より、あたしは旅費とチケット代と手間暇を
けちった。
 
でも。
来年も、森公美子さんが元気で舞台に立つ保証はどこにもない。
ましてや、80歳を過ぎて、腰が悪くて足元がおぼつかない母が
次の公演のときにちゃんと自分の足で歩いて
劇場まで行けるなんて保証はどこにもない。
ミュージカルを観に行くことさえ、おっくうになってるかもしれない。
 
前に一緒に観劇したときに
帰りに喫茶店でお茶をした。
お店を出るとき、店員さんに何か話しかけられたみたいで
「今日は、娘と博多座にエリザベート観に行ったの」
と嬉しそうに答えていた。
 
「天使にラブソングを」
観に行けばよかった。