ミュージカル「マーダーバラッド」

・中川晃教

・濱田めぐみ

・橋本さとし

・平野綾

 

出演者はこの4人だけ。

そして、90分間、ノンストップで歌だけで構成された、

ロックミュージカル。

 

ストーリーテラーでもある濱田めぐみの歌から始まるが、

ステージのバックにバンドがいて(バンドも4人しかいない)、

ステージセットはバー。

あたかもひとりのミュージシャンがバーで歌うような雰囲気で

芝居は始まる。

 

ステージ上にも客席が用意されている。

 

実は数年前、同じようにステージ上に客席が設けられ、

運良くそのチケットが当たったことがあって

「役者が間近で見られる!」

と喜び勇んで観に行ったことがあるが

実はステージ上って、客席のお客さんから丸見えなわけで

すごく疲れる。

だから今回、最初からステージシートは取らなかったのだが

そうか、なるほど、バーだから

お客さんはバーに来ているお客さん、

という感じ。

 

緊張感はあるけど、

目の前であの4人の、マイクを通さない歌声が聴けるわけだから

ファンにしたら鳥肌ものだろう。

 

中川くんは、

数ヶ月前まで、ファルセットの超高音で

歌っていた。

それが今回は打って変わって低音ボイスを響かせていた。

いったい、なんなんだ、彼は。

 

そして濱田めぐみさん。

まだ劇団四季にいたときに、

ウイキッドを観にいって、その圧倒的な歌唱力に

1幕が終わった後も呆然としてしまうほどだった。

圧倒的な歌唱力のみならず、

あの肌に絡みつくような、艶のある声、

そしてささやくような声でさえ、

きれいに、一音のブレもなく、伸びやかに

心に染み込むあの歌声。

もう、大好き。

酔いしれる声というのは、こういうことか。

 

がしかし。

あまりにも

圧倒的な両者の歌声に酔いしれてしまって

ストーリーが飛んでしまうんである。

 

これはアタシが大好きな山口さんのときもそうなんだけど

もうその歌声に酔っちゃって、

歌詞が入ってこないんである。

 

そういう意味でいうと、

4人の中では

唯一、音楽畑出身ではない橋本さとしさんの歌が

一番聞き取りやすかったというのは

いいんだかわるいんだか(笑)。

 

ストーリーは単純で、

恋愛ものが愛憎入り混じって

最後は…っていう展開なんだが、

それをノンストップで90分、

歌だけで展開していくんだからなかなか理解するのは

ハードルが高い。

いや、話はわかるんだけど

どうしても歌詞が聞き取れないところがあるんだよねえ…。

 

いやあ、これは

「もう1回、見なさいよ」

ってことだよねぇ…。(←つか、観たい)

チケット、当日券があるらしいんだよねぇ。

 

「マーダーバラッド」、

兵庫県立芸術劇場で6日まで。

できることならもう1回、

そしてその後の東京公演も観たい。

 

どう、進化しているのか。

そして4人の、心がどう変化しているのかを感じるために。