今朝の試合は本当に厳しいものだった。

 

マッチポイントを握られて、

それをひっくり返しての勝利。

勝った瞬間、両手で顔を覆って、泣いているようだった。

 

テニス選手にとって、オリンピックはさほど重要な試合ではないと思っていた。

 

オリンピックが終われば、すぐにUSオープンが始まる。

 

錦織は、この前の試合も、脇腹の痛みで途中棄権した。

 

過酷なプロスポーツ選手にとって怪我はつきもので、

とあるレスリングの選手を取材したときも

「足が折れてもやる」と言っていたから、

どこか痛めていても、

治しながら、体を鍛えていくんだろうと想像できる。

 

でも、錦織が涙したのを見たのは

数えるほどしかない。

で、今回もこの勝利でやっとメダル圏内に入っただけ。

 

あの涙はなんだったんだろう。

 

ただ「メダルを取りたい」だけじゃないと思う。

 

それは、中学生から日本を離れ、

孤独な戦いにも勝ち続けてきた彼を

涙させる、

何かが

オリンピックにはあるんだと思う。

 

仲間か?

祖国か?

それとも自分と同じように国を離れ、

孤独と自分の弱さと戦い、向き合う、選手たちとのふれあいか?

 

準決勝はもうすぐ始まる。

相手はマレー。

 

厳しい戦いにはなると思うけど

あの涙をみた以上、

やっぱりメダルをとってほしいと

心から願うのです。

 

さあ、始まるぞ! ベストを尽くせ!