ニュースで 白鳥が帰りだしたとか

今年は 少し早いような気がしますけれど

これも 暖冬のせいかもしれません

 

昨年は3月に出したお軸ですけれど

今年は 大炉の時期にかけてみました

 

 

お軸は 藤田友閑の帰雁

 

藤田友閑 (1600~1677) 頃

 

松花堂昭乗の弟子

 

400年近く それほどの時を超えてきたかと思うと

感動ですね

わたくしの手元に来るまでに

どのような人の手を渡ってきたのか

それなりに大切にされてきたからこそ

今 ここにあるのでしょうし

 

帰雁の歌は

もともと 平安時代の女流歌人 三十六歌仙の一人の伊勢という方が

読まれた歌が 元です

 

今から1200年も前の方です

 

はるかすみ たつを見すてて ゆく雁は 花なき里に住みやならへる

 

春かすみの立つのを見捨てて 帰っていく雁は 花の咲かない里に住みなれているのかしら

 

友閑の歌は

 

帰雁 雁かねは 世を 諫はや帰るらむ

あだ 菜の花に 心と無しなと 友閑

 

雁はもう帰ってしまうのか

菜の花がきれいに咲くのに 心惹かれないのか

 

とよんでいます

 

 

表具の裂地もいいです

落ち着いた色ですし

 

 

花は黒文字 寒咲アヤメ クリスマスローズ

カンザキアヤメが次々と咲いてくれます

暖かくなると 椿ではなく 寒に咲く花もいいですね

 

 

 

この白のクリスマスローズ

植えて40年 ほとんど増えることなく 一株だけ 

花はちゃんと咲くようになりました

 

紫は種が飛んで 小さな苗ができてます

 

 

花入れは湯町窯さんの 扁壺