ありがたいことに、今回世界トップのテニス選手が集まる
A T Pカップという大会でリメディアルマッサージセラピストとして
働く機会を頂きました。
ATPカップは男子のみの大会で、
世界のトップ16か国がシドニーで戦います。
シングルスx2、ダブルスx1の団体戦です。
そもそも、リメディアルマッサージとは何か
について説明したいと思います。
リメディアルマッサージとは、
Remedy(リメディー)=治療・改善
つまり、治療を目的としたマッサージのことです。
オーストラリアでは国家資格として認定されていて、
受ける際には医療保険を使うことができます。
筋膜リリースやトリガーポイントを含めた様々なテクニックを使いながら
痛みの軽減や可動域の改善を目指します。
アスリートに対しては、試合や練習前後のウォームアップやリカバリー、
怪我の予防とリハビリにフォーカスします。
リメディアルマッサージのディプロマコースは
T A F Eまたはプライベートカレッジで学ぶことができ、
座学+実技のクラス
+最低250時間のクリニック(実際のクライアントに施術をする時間)
を経て1〜2年で資格を取得できます。
(私の場合はプライベートカレッジで最後に半年間の選択コースを
取ったので2年間かかりました。)
資格を取得した後は公認されたマッサージ協会に所属して
毎年スキルのアップデートが必要になります。
(続けないと資格が取り消されてしまいます)
とまあ、リメディアルマッサージの説明はこれくらいにして…
今回運よくこのお仕事のオファーを頂いた理由は、4年前に遡ります…。
当時まだコースを受けている途中だった私は、
資格を得る前にもっと経験を積んでおきたいと思っていました。
自分の長年のテニスと怪我の経験からスポーツマッサージに
特に興味があったので、まずはプロアスリートと働いた経験のある
マッサージクリニックをリサーチして何件も回った後、
良さそうと思った2カ所にターゲットを絞りました。
ただ、英語も流暢でない21歳の子供
(オーストラリア人からしたら15歳に見える…笑) がいきなり
レジュメを渡しただけではインパクトが薄く、
仕事をもらえる確率はほぼゼロ。(笑)
仕事場の雰囲気も先に知っておきたかったので、
まずは客としてマッサージを受けることから始めました。
*ちなみにオーストラリアでリメディアルマッサージを保険なしで受けると
1回の施術で大体120ドルくらいかかります。
短期間で何度も通ったのでその頃の出費はハンパなかったです…笑
そこからボスらしき人に“学ばせてください!”とお願いしたところ、
どちらのクリニックも快く受け入れてくれました。
一つは、長年やっているカイロプラクターのクリニック。
(オーストラリアのカイロプラクターは
骨格系のドクターのような位置づけで、診断もできます。)
マッサージはカイロの施術前に筋肉を緩めるために取り入れられていました。
スタッフも患者さんもとても親切で、治療やマッサージをしながら
その症状や治療のアプローチなどを丁寧に説明してくれ、
実際に患者さんのマッサージもやらせてもらえました。
しつこく週3〜4日通っても (笑)、毎回丁寧に教えてくれました。
もう一つは、プロのバスケットボール、水泳、
クリケット、テニスなどのアスリート選手と働いた経験が豊富なクリニック。
ここのボスには「 タダではできない」と言われ(そりゃそうだ…笑)、
4ヶ月($200/月)のメンターシップを受けることになりました。
毎月課題が課され、マッサージのテクニックから
セラピストとしてクライアントと接する上で大切なことまで、
たくさん学ばせてもらいました。
4ヶ月のメンターシップが終わる頃、
ボスから「一緒に働かないか」と言われ、
ついに仕事をゲット!!!
ただ、いざ始まるとクライアントを増やすのがなかなか難しい。
クライアントが入らないと給料が発生しないので、
初めの6ヶ月はほぼタダ働き状態でした。
そんな中でも、ボスがシドニーで開催されるテニスの大会で
毎年必ず働いていることはわかっていたので、
いつか私にもチャンスが巡ってくるだろうと諦めずに続けました。
そして、オファーが来てもコロナで多くの大会がキャンセルされ
何度もチャンスを逃しながら、ようやく今回この機会が巡ってきました。
家から遠いしお金は入らないしで
途中何度かやめようかとも思いましたが
続けてきてよかったー!!笑
↑マッサージの部屋の入り口。練習や試合前後に選手たちがやってきます。
やりたいことは必ず行動に移す大切さと、
目の前の状況に左右されず
自分のコアを大切にしながら長い目で先を見据えることの大切さ
を改めて実感したのでした。
A T Pカップのすぐ後にはもう一つの大会
テニスクラシックでのお仕事が待っています。
全力で選手たちをサポートしてきます!!!