羊毛フェルトの講師として2年足らずが過ぎようとしている。
(写真は最初にオープンしたアトリエ。今は締めてギャラリーに引っ越ししました。)
講師としての自分のあり方を考えていたら、ある方に会いたくなった。
20代の頃お世話になった生け花の先生だ。
母方の祖母が病院でお友達になって薦めてくれたことがきっかけで習いに行き始めた。
祖母と同年代だったから当時70代でいらしたと思う。
とにかくお花が大好きな先生だった。
お花への愛情がすばらしかった。
ある時の指導
「この枝はこの主となる枝が大好きだけど、主を直視せず寄り添いながら同じ方向をみてるんですよ。」と、メガネの奥の目を乙女のようにキラキラさせながら😉
またある時、ヤブツバキを生ける時は
「ヤブツバキは引きの芸術。どの葉を活かすかどの花を活かすかそれによってきれいな花や葉、蕾までも落とさないといけません。落とされた花や葉や蕾の為にも活かされたものを最高に美しく見せてあげなければいけません。」
そのような指導の言葉が今も心に残っている。
日本の古くからの考え方をも何気に若い私に教えてくださっていたのかもしれない。
習い始めて4年が経過した頃、お稽古の日に会場に行ったら、花材は花屋さんから届いているのに先生がいらっしゃらない。
他にも生徒さんが来ていらして、「おかしいですね〜。」と言いながら携帯電話もない頃のこと、そのままその日は帰った。
後日、先生はお稽古の日に家を出られる前に倒れて亡くなったと知った。
祖母と一緒にご自宅にお参りに行ったら、ご主人様が「花が好きで好きで…、最後まで花の仕事ができて本人は本望だったと思います。」と。
そんな先生でいらしたので、おそらく私も生け花に魅了されたと思う。
私以外の生徒様もそういう人が多かった。
生徒様の中には、お花が大好きで一生懸命教えてくださる先生の事が好きで20年通っているとおっしゃる方もいらっしゃった。
今、自分も何かを人にお教えする立場になって、あらためてお花の先生に会って話しをしたいと思う。
以下、余談
写真は研究会と言われた会(本部から先生がいらして判定される)で私が生けた花に準優秀花の札が立っていた時に先生が喜んでくださり、ポータブルカメラで撮ってくださったもの。(若いなあ〜私😁、そして昭和😆)
リンドウ、木いちご、ススキで写景自然本位という生け方だったと思う。
お知らせ
NHK名古屋カルチャーでの短期講座は2回目からの参加も可能です😊
一般社団法人日本うさぎ羊毛フェルト協会 ®︎ 認定講師・作家
needlfelt幸(yuki)こと
原田佳世子


