まず自分はファーストガンダムは劇場版のみDVD所有、
Zガンダムはリアルタイム以降全話鑑賞、
逆襲のシャアはリアルタイム劇場にて鑑賞したが、
正直Zガンダムの数話以外にはそれほどの思い入れも無い人間だ。
小説についてはファーストとΖを読んだくらい。
いずれも多感な中学生→高校生にかけて読んだように記憶している(大半は忘れた)。
映像作品についても上記作品についてはそれほど繰り返し見たモノはなくて、
強いて言えばΖの19・20話は単品所有しているDVDを時々観ているくらい。
そういった意味では、
「おまえ閃光のハサウェイ観に行って楽しめるのか?」
というレベル、正直スルーするつもりだった。
ただ二人のキーパーソンの影響で、だった。

・最先端のロボットの映像作品を劇場で鑑賞する
・話に乗り遅れるな

こんな感じ。

というわけでガンダム作品としては劇場版ガンダムダブルオー以来に、映画館へ足を運んだのである。
観に行ったのは「MOVIX周南」、奇しくも上記のダブルオーも同じとこだったなあと思いながら、着席。
シン・ウルトラマンの予告と、細田作品の予告にちょっと心奪われつつ本編を鑑賞。
95分は結構早く過ぎたように思う。

ではここからが感想(前置き長い)
まず、これを映画館にて鑑賞したことについては間違いじゃ無かった、
映像凄かったし音響も凄かった、迫力もあったし美術も見事。
詳しくない者でもワクワクできる部分があった。
鑑賞後の満足感もなかなかのものだった、
実際パンフレットも豪華版が欲しくなり、購入したくらいだ。

ただ、これを映像作品としてDISCを購入して繰り返し観たいか?というと、
個人的には「うーん」というのが正直な感想だった。
一番の不満は、先ほど満足したはずの戦闘シーンにある。
「暗い」のだ、とにかく暗い、
ネットで見かけた「暗い」という感想は、てっきり4Dx観た人の感想かと思ってたのだけど、そうじゃなかった。

カッコイイとは思わないが異形としての魅力は感じるペーネロペーもクスィーもほんま、見えん。
暗闇と同化してるグスタフカールも見えん。
メッサ―はその配色から見えやすくはあったけど、
そんな活躍してたかというと、疑問符のレベル。
この暗さ、リアルを追求してのことかそれがカッコイイと思っての表現なのかはわからないけど、見えにくちゃいけんでしょ、
プラモの販促映画でもあるんだろうけど、プラモ欲しくならなかったよ。
ま、それについては近日プレバンからプラモが届きそうなんでブレーキかかってるというのもあるだろうけど(苦笑)。

夜間とはいえ宇宙よりは明るいんだろうからさあと思ったし、
ここらの感想については2年前、
「ゴジラ キングオブモンスターズ」を劇場鑑賞したときの感想を思い出したなあ。
ちなみに、DISCは要らないなあという感想については、
「ギャレス版GODZILLA」について同じ感想をもったなあと、
いま思い出した。

いちいち比較対象というか、話題に挙がるのが怪獣映画というのは、少々心苦しいのだけどそういうアクション性高いシーンについては怪獣映画を思い出すシーンが多かったのは実際の感想で、
たとえば市街地での逃げ惑う市民も描いた戦闘シーン(これも夜間)については、
まさに怪獣映画のそれだったし、
2機のガンダムも怪獣っぽいフォルム(特にペネロペ)だし、
夜間空中戦のペネロペの音や機動はそのシルエットもあいまって、
「ガメラIIIイリス覚醒」のイリスを思い出さずにはいられなかった。
(で、帰宅してからイリス覚醒を見返したのだけど、
その作品に「夜間の空中戦」の最適解があったように思ったのは、それはまた別の話)

デザインからも想像はついたけど、モビルスーツ同士の戦いという意味でのカタルシスは感じられなかったなあという感じで、
怪獣映画として楽しんだというのが実情。
でもそれはそれで映画館に観に行く価値はあった。

で、お話部分だけど、
まあハサウェイに魅力は感じなかったなあ、
これは意図的なもの?
ギギについてはクェスと同じで苦手、ケネスについては良いなあと思い、ペネロペのパイロットのレーンについては実に好印象。
そういう印象で見続けて良い?自分は原作についてはオチしか知らないんだけど(爆)。
話の流れについては非常に丁寧にじっくり描いてるなあと思える半面、
ハサウェイがなんでテロ組織のリーダーになれてるの?
など、疑問は多い。
配備されてるのが新鋭機(と思われる)メッサ―ばっかで、
どれもとてもきれいというのもちょっと気にはなるものの、
その辺はどうとでも説明はつくのだろう(多分バックにA社)。

何より良かったなあと思うのは、自分がガンダム系作品で一番苦手な、
「オカルト要素」が皆無だった点かな。
ユニコーン終盤とかナラティブとかはそこがちょっと苦手だったので、それらの作品やゼータの終盤、ファーストにおいてはララァのくだりよりは違和感なく観れたように思う。
自分にとってはここ大事。
閃光のハサウェイも話が進むとそういうのもあるかもしれないけどまあ、
出だしは良いと感じたので次回も観に行くんじゃないかな?

というわけで、いろいろ文句も書いたけど、
実際劇場に観に行ってほんとに良かったと思う。
ではこれを自分が、
「自信をもって他人に薦めたい作品」かというと、そうではなくて、
「劇場に観に行く価値はあると思うよ」という感じ。

でもこれだけの文章を書く気になったという意味では、
大満足なのかなあ、と思わなくもない。

なんとも歯切れはわるいんだけどね。

と言っても、今年はなんと7

本しか劇場で観ていない。

でもまあ、少ないながらもランキングでも。


まずはダントツの最下位は、仕方ない面も多々あれど、



・清流光神ハクジャオーTHE MOVIE


劇場版と銘打ってるのだから、それは映画なのだということでランキングに入れたのだけど、

やっぱりこれはザンネンな出来だった。

様々な事情を考えたとしても、だ。


どこがどうというのは、このブログでも書いた通り。


それはそれとして、これ以降ハクジャオーの活躍の様子をあまり耳にしないのが残念。

自分はその立場上無意識に避けてる面もあるのかもしれないけど、

たとえば今日散髪に行ったときにも、お手伝いをしていた当時を知ってる散髪屋のおばちゃんからも、

「今なにやってるかわからない、映画はさっぱりだった」と言われて残念な気持ちになってしまった。


お次は第6位




・TRICK劇場版 ラストステージ


相対評価で6位になってしまったけど、悪かったわけじゃない。

ただ、テレビスペシャル版のほうが好きだったかな?

最後のシーンはすばらしいの一言。

でも、これでオワリというのはやっぱり寂しいかな。


お次は第5位



・GODZILLA


これも劇場に観に行って良かった、

それはネガティブな意味も含んでたりする。

不思議なくらいソフトは欲しくならないという意味でね。


4位はこれ。



・ZERO BLACK BLOOD


すばらしいスピンオフ、本編である”牙狼”でできないことをやっている、

キャストも魅力的だったので続きを早くお願いしたい。

作れるのはトッキュウジャーが終わってからということになるのかな?


3位となったのは、


・ホビット 竜に奪われし王国




前回でおもいっきり焦らされたスマウグを思いっきり堪能できるのがこれ。

これを見てからの8か月ちょいがどれだけ待ち遠しかったか!



で、今年の2位はこれ。




・イン・ザ・ヒーロー


もともと唐沢寿明という俳優は大好きなのだけど、

それを抜きにしてもとにかく熱い、いい作品だった。

スーツアクターをしたことはないけど、それを手伝ったことがある自分にとっては、

ほんと共感できる面も多々あった。

はやくソフト発売されないかな?



そして堂々の1位は・・・




・ホビット 決戦のゆくえ


やはりこれしかあるまい。

あの絶望的な前作の終わり方からの、はじめのクライマックスから、

ホビットとしての、ビルボ・バギンスの冒険としての終結、そして指輪物語への橋渡し、

納得と同時に終わってしまったことへの寂しさもともなう、いい作品だった。

ロードオブザリングを観たことが無い娘たちは、

その後も楽しむことができるだろうか?いまからその反応が楽しみだ。


こうしてみると、観に行ったのは7本ではあるけど、

満足度としては高いものがほとんどだったのだなあ、

さて2015年はどんな映画に出会えるのだろうか?






劇場でゴジラ観るなんて、何十年ぶりだろう。

でもこれは、ほんと観たくなった、

凄く楽しみにしていた。

109シネマズ広島で、3D吹き替え版を鑑賞、

その選択は間違ってなかった。

迫力を存分に堪能できた。

ほんと、日本のゴジラだkでなく日本の怪獣映画をリスペクトしまくった映画と思える、

実に楽しい娯楽映画だった。

CGによる造形はすごいのだけど、

なんとなくの荒唐無稽ぶりとか唐突ぶりとか、

人間の無力ぶりとかもほんと怪獣映画。

そう、あえて「日本のゴジラ」と書かず、

「日本の怪獣映画」と書いたのには理由があって、

なんかねえ、ガメラっぽい部分もけっこう感じたから。

特に「レギオン襲来」とか。

ただ、レギオン襲来とこのゴジラとには決定的な違いがあって、

レギオン襲来では「人間は役立たずではない」という点、

ここは決定的に違うなあと。

ほんと、芹沢教授、なんのために出てきたんだよ(笑)。


さっそく今日、レギオン襲来を鑑賞したのだけど、

やっぱり面白かった。

ほんと何度見ただろうというくらい観たのだけど、

それでも面白かった。


今回のゴジラ、ほんとうに満足して帰ってきたのだけど、

ではソフト化されたら購入したいか?と問われるとこたえはNO。

でも、劇場には観に行った方がいい、

少しでも気になるならあの迫力は見ておいた方がいいよ。


Imagine creative world in Iwakuni  に行ってきたわけだけど、
ほんとうに楽しかった、刺激的だった。
これはできるだけ多くの友人とその刺激を共有したいと思ったので、
撮らせていただいた写真をすこしだけここに掲載する。


徳持耕一郎さんの作品...
まあびっくりした、この一言に尽きる。
3次元であり2次元であり、それが線で構成されてることを考えると1次元ともいえる。
写真でもすごいけど実物はそこから受ける想像をはるかに上回るよ。



田村覚志さんの作品
これはちぐまや家族で拝見して以来、実物をじっくり眺めてみたかった作品。
この緻密さ、世界観、ほんと飽きない。
これも写真では伝えきれない。



中村敦臣さんの代表作のひとつ
この龍は、ジャパンエキスポでも見ることができないんだぜ、
パリで敦臣さんを待ってる人たちが見れない作品を岩国で!

自分に刺さった作家さんはこの3方だったけど、
他の作家さんに感銘受けれることもあるはず。

ほんと今日か明日、行ける人はぜひぜひ!!


4月30日から5月6日まで、
山口井筒屋にて開催された敦臣さんの作品展、
奇しくもその初日と最終日にお伺いすることができた。
今日のメインは”娘たちに「日本」を見せること”
だったのだけど、
自分も二回目行けてよかったと思えた。...
聞くところによると、
2度3度、足を運んでくれたお客さんも多数いらっしゃったとのこと。
自分も、この2回目の鑑賞で新たな発見や驚きもあったり、
さらにお話聞くことができたりとほんと楽しむことができた。
写真の作品「日本」は今回の展示を最後に、
山梨県の 切り絵の森美術館に嫁ぐ。
あちらでも多くの人に発見と感動をもたらしてくれることだろう。
願わくばその展示は、お客さんが間近で凝視できる展示方法であってほしい、
それで伝わることもあるだろうから。
娘たちもそれでかなりのものを得た様子だから。

ともあれ、一週間の展示会、お疲れ様でした。
ほんとうにいいもんみさせてもらいました!
次にお伺いできるのは、6月27~29の岩国かな?
もうすでに次回も楽しみだ!
 




敦臣さんの代表作と言える”日本”の実物を山口で観れる最後のチャンス?





というわけで、井筒屋に行ってきた。
やはり実物のすごさは、写真では伝えきれない。
この”日本”を観て確信できたのは、
「やはり彼は日本を背負っている」...
ということ。
目指せ!和風総本家出演!(こらこら)
もちろん、見どころは”日本”だけではなく、新作も多々目にすることができた。
たとえばさらに極まった感があるその緻密さ。

 



これらの写真から、どのくらいのサイズの作品かを当てられる人は少ないんじゃなかろうか?
足を運ぶたびにいろいろ驚かされ、そして感動させられるのが敦臣さんの作品展。
自分はその緻密さとテーマに感銘を受けるのだけど、
長女や家内は、それが創作意欲につながってるみたいで、
それもまた凄いなと思う。
今回の個展は5/6まで、チャンスある方はぜひ!

http://atsuomi.jp/home.html  敦臣さんオフィシャルサイトはこちら。

この半年間は、

ほんとうに”ガンダムビルドファイターズ”という作品を楽しめた半年間だった。

もう、ガンダムの名を冠したテレビシリーズで一番好きと言い切っていいよ。

でも塗料を使って劇中のMSを作ったのは、こいつが初めて(笑)、




正直、元ネタのクロスボーンガンダムに興味はなかったのだけど、

ふと髑髏を塗りたくなった、ハイキューパーツのオーロラレンズを使いたくなった、

そんな動機で衝動買い(笑)。

このサイズで定価1944円は非常に高い価格設定と言わざるを得ないのだけど、

こうして仕上がってみるとメタリックシールの質感も含めて素晴らしい満足度。




ダブルピースできるMSなんて初めてじゃないか?

自分は基本的には量産型至上主義で、

特別な存在であるガンダムタイプはそんなに好きじゃないんだけど、

なぜか2作続けてガンダムになった。




というわけで先週組んだガンダムAGE-1(2号機)レイザーウェア装備とツーショット。

…この写真だと同じくらいの大きさに見えちゃうな(笑)。


次は量産型作るぞ、量産型!

ネモにしようか、アデルにしようか、シャルドール改にしようかダナジンにしようか…(偏)。



それはそうと、各所で見かける、

「ガンダムビルドファイターズ続編待望論」だけど、

自分なりの、自分が見たい続きを考えてみた。


まずは大前提として、


・ガンダムAGEのキットが出れる時期

 これは家族で楽しむためにも必須事項(笑)。

 実際、AGE-1とかってウェア換装の概念とかから、

 凄く使いやすいと思うんだよね、本編で活かしきれてなかったリベンジをここでぜひ!


そして舞台設定としては、


・数年後で、新たな主人公による新たな物語

 個人的にはこれを希望する。

 もちろん、いまのキャラクターのその後も気にならないではないけど、

 それは外伝くらいでよろしい、アリアン編も(笑)。


そう思えてしまうくらい、ガンダムビルドファイターズは綺麗に終わったと思うのだ。

だからこそ、数年後の世界で、新しい主人公でいいかなと思うのだ。

そんな状況下で、今回の主要キャラクターたちも成長した姿で新たな主人公達にかかわる。


結局のところ、ブレイクエイジに対するロアゾオブルーのような続編であってほしいのだ。

ほんと、あの距離感が絶妙なんだよね。


さあ、どうなるガンダムビルドファイターズII! 




作品紹介


『牙狼』シリーズの世界観を継承し、主要キャラクター涼邑零を主人公に新たなシリーズとして誕生させた特撮アクション。人々のために魔獣ホラーを狩る魔戒騎士である零が、人間とホラーの共存する新コミュニティーを作ろうと零に接近する謎の人物との戦いを繰り広げる。シリーズの原作者である雨宮慶太が総監督を務め、テレビドラマ「牙狼<GARO>」シリーズなどの金田龍が監督を、さらにテレビアニメ「進撃の巨人」などの小林靖子が脚本を担当。シリーズと同様で零を藤田玲が演じるほか、梨里杏、武子直輝など本シリーズに初参加となる共演陣にも注目。


感想


白の章を観てからの、黒の章公開がどれほど待ち遠しかったことか!

そんな引き方だった白の章のうっ憤を晴らしてくれた黒の章だった。


牙狼本編の主人公、冴島鋼牙にない、

今回の主人公涼邑零の弱点でもあり魅力でもある部分がしっかりと描かれてた。

わきを固める俳優陣もまた実に魅力的で、

この「絶狼」をさらにシリーズ化してほしくなる面々だったりする。

あ、録画しっぱなしのトッキュウジャーも観ないとなあ(笑)

セイン・カミュがまたいい感じのホラーだったね。


牙狼の世界観をしっかり踏襲しつつも、

本編とはちがう雰囲気を作り出すことに成功しているのが、

なんかうれしかった。


主題歌、欲しい。終劇歌、買っちゃった。

あとサントラ、すっげえ欲しいので、

ブルーレイ発売の暁には、サントラCDをぜひおまけに付けてほしい。

MAKAISENKIのボックスの時みたいにね。



清流光神ハクジャオー外伝
A.D.S.~アームド ダイバー システム~

第4話


AD:2009/06/08 山口県岩国市某所

その物々しい扉には、「Office7第二研究分室」そう書かれてあった。
軋むような音をさせ、その扉を開けた長身の男は七尾誠一、
このオフィス7の創始者である。

「あら七尾君、ひさしぶりね、あなたがここに来るなんて、
 いつ以来かしら?」

研究室内のデスクで、
PCのディスプレイとにらめっこしていた白衣の研究員、
山代瑞希はその音で作業を中断した。
そして入ってきたのが七尾だと知り、
ちょっと驚いた表情を見せた。

「んー、一か月ぶりくらいになるかねえ。」

七尾はそう返答したものの、瑞希のほうを見ることもなく、
キョロキョロと周囲を見渡す。

「もうそんなになるのね、で、あなたの言ってたスペシャルウェポン、
 目処はたったのかしら?」

瑞希もすぐ、中断していた作業を再開しつつ、
七尾にそう話しかけた。

「…なかなか思うようには行かないもんだねえ、
 ここには何かヒントはないもんかね。」

ちょっと困った表情を見せる七尾、
瑞希はキー操作を中断することなく、
そんな七尾の表情を見ることも無く言い放った。

「岩宝堂にでも行ってみたら?」

「岩宝堂?」

それは七尾の知らない名前だった。

「ええ、岩宝堂、倉光君のカフェの近くにある骨董屋、
 知らなかった?
 置いてあるのはへんてこなものばかり、
 オーナーの岩宝さんの話も胡散臭いものばかり。
 だけどそんなおとぎ話も、
 いまの七尾君には気分転換くらいにはなるかもよ。」

「…岩宝堂、岩宝堂ねえ…」

ちょっと首をかしげる七尾。

瑞希は作業の手を置いた。

「…それとも、ここに来たのが気分転換?」

「まあ、そんなとこ、デモスーツが出来たって聞いたんでね。
 見せてもらえるかね?」

「いいわ、ロールアウト直前だけど見せてあげる、
 明日だったらもうここに無かったところよ。」

通されたラボには3体のマネキンがあった、
それらは形の異なる戦闘スーツを纏っていた。

「これがADS-アサルト、実体弾による戦闘を想定したスタンダードモデル、
 あなたのアオダイショウにもっとも近い形かもね。
 陸戦経験者にテスト装着してもらう予定よ。」

「で、これがADS-ブレード、高周波ブレードをメインウェポンとした、
 近接戦闘に特化したスーツ、ヒットアンドアウェイが出来るよう、
 機動性も高めてあるわ。
 これは留学生から選抜されたAAAの運動能力を持つ子が装着予定。」

「そして最後にこれが、ADS-ロングボウ、レーダーユニットと、
 コンパクト化された火器管制システムでの遠距離射撃に特化したスーツ、
 コマンダーとしての性能も併せ持っているわ。
 これは私が装着予定よ。」

…そういえば学生時代、瑞希は弓道部の主将だったな、
七尾はそんなことを思い出したが声には出さなかった。
代わりに小声で…

「…だが、こいつらはまだ…」

「え、何か言った?」

「…いやなんでもない、テストの結果、期待してるよ。」

そして七尾はラボをあとにした。

…リクツじゃないんだ、あいつらは与えられた力しか発揮できない。
 俺が求めているのはここ一番の規格外の力、
 そう、あのハクジャオーの力と同等のものなんだ。
 バケモノを倒すことが出来るのはそういう力なんだよ、
 あれじゃまだ、俺たちの切り札にはなれない…

七尾の独り言は焦りの感情を隠さなかった。

                                    ‐続く‐

清流光神ハクジャオー外伝
A.D.S.~アームド ダイバー システム~

第3話



「クッ!こんなんじゃ5分じゃ…」

ラウカ=ケブラーダの焦りに満ちたつぶやきが、
東條衛と山代瑞希の、そして空中のベースヘリの全クルーに届いた。

事実戦況は決して思わしいものではなかった、
何より数が多いのだ。

幼生とはいえ、
人の背丈ほどもあろうかという巨大な蜘蛛が無数に襲いかかってくる。
この状況では個々の戦闘能力がどうの、という問題では無い。

「気をつけろよラウカ、今の、聞こえてたぜ。」

東條からの通信にハッと我に返るラウカ。

…思ったことが口に出てしまうときの自分は、冷静じゃない!…

倒した蜘蛛はもう、何体目だったか…
すでに無意識の戦いになりかけていた自分を無理やり現実に引き戻す。
東條からの通信は続いた。

「あとおまえな、前に出すぎだ!
 焦る気持ちはわからんでもないがまだ11分もあるんだ、
 きっちり15分で殲滅しようぜ!」

…11分も、ね。
焦る自分に対する気遣いだということは分かった、
ただそれでもこの状況で”11分も”と言える彼に、
5分で焦っていた自分との違いを再認識し、
ラウカは東條を頼もしく感じた。

だが当の東條は、
そのとき自分も少々焦っていることを自覚していたのだった。

…さてと、そうは言ったものの、
 まだダーク・ウィドウの姿さえ見えないってのはなあ…

「性格ね。」
やりとりを聞いていた瑞希はつぶやいた。

A.D.S.に与えられた行動時間は15分。
その15分をどう使うか…

その時、
瑞希のヘッドマウントディスプレイ上のバトルエリアに、
アラートメッセージが点滅した。

「レーダーが捕えたわ!ダーク・ウィドウが動き始めた!」

瑞希からの通信に、ニヤリとする東條。

「いいタイミングだ瑞希、聞こえたかラウカ、
 前言撤回だ!俺が前に出る!」

アサルトライフルのマガジンを、
貫通弾のものに交換し、
銃身に装着してあったパイルバンカーの本体にも、
カートリッジを装填した東條は、
ラウカのいる最前線に走り始めた。

「ふふ、言うことがあっさりと変わる、
 東條らしいね。」

「覚えとけよラウカ、これが臨機応変ってやつだ。
 瑞希、そっちはうごけるか?」

…これならいけるかもな…
この戦場でリラックスできたラウカの声に、
こっそりと、ほんとうにこっそりと東條は安堵した。
…この数秒のやり取り、無駄じゃなかったな…

「住民の退避は完了、もうこのエリアに人間は私たちだけ!
 存分に行きましょう。あと7分で!」

妥協しても、少なくとも3分は余裕が欲しい。
これが自分の性格なんだと、
瑞希はあらためて自覚したのだった。


-続く-