俺には救急でまだ生きてる患者がまってるんだよっ！
て言った人ね。
あんたが行かなくても優秀な他の医師が
ちゃんと見てるわよ。
人の死の瞬間は家族にとって大切な時間なんだよっ！
ってやつ。
後日談がありまして、その医師が退職する時、
ご飯にみんなで行ったんだけど、
あの一言、すげー腹立ったけど
あれから何かが変わったんだ。
と言われたの。
当時部長、医長に呼び出され、
コンコンと説教されるかと思いきや、
医長が
今時そんな風に新人に注意する勇気、
ありがとう。彼の今後にきっと何かのきっかけになると思う。
と言ってくれたんだ。
医師って医師の家系で、そういうなかで
医師になった人って親がヤブ医師じゃなければ
大抵良い人。
まあ昔は不倫だなんだで揉める人もいたけどね。
頭が良いだけで医学部入れそう、って医師になった人って、人の心を汲み取れない人が多い気がする。
実際あの医師も、
俺、ずっと成績良くて中学から私立で、
なるなら医師か弁護士って感じで、
なんとなくなっちゃったんだよね、
私にガツンと言われた後、上司にもガツンと言われ、医師をやめろと言われたらしいです。
看護師もね？
頭のいい子は今は大学行くの。
知識も沢山持っているし、資格も一つじゃないんだよ。
昔は三年生の専門学校を卒業して国家試験受けるのが普通だった。
もっとまえは二年准看の学校行ってまた二年正看護師の学校行って国家試験。
今、公立の三年制の学校は、
大学出たけど仕事ないし、とか、
社会人になったけど給料安いし、とか、
食いっぱぐれない国家資格取りたい人で、
半分以上埋まっちゃうんだ。
本当に看護師になりたいけれど、成績が今一つの子は、准看いくしかないのね。
大学はハードル高いし、私立はお金もかかるから。
早期退職した後に近くの私立中規模病院に
期間限定でアルバイトした時に、
なんであんな良いところ、辞めたんですか？
って言われ、
いつも人が足りなくて募集してるよ？
と言ったら翌日からすごいシカト。
みんな准看なんですよ。
大手の病院は今は准看は採用しないんです。
しかも中規模病院はボーナスも退職金も無いんですって。
感染管理、普通は一回使ったら捨てるものを
消毒して何回もつかう。
コスト重視だから。
いつ死んでも良いようにカルテの後ろに日付けだけ開けてある死亡診断書が挟んである。
そんな所が救急指定だったりするんですよ。
もーね、契約満了でさっさと辞めました。
で、元職場、仕事量も半端ない。
求められるもの、こなさなきゃいけないこと。
いつも笑顔で何かを汲み取り、
医師に伝え、治療に貢献するのが本来の仕事だと思ってたんだけどね。
だからみんな疲れてんのよ。
アメリカは日本の五倍の医療常時者がいるから、
充分な医療を受けられるけど、医療費の自費が半端ないの。
ハワイで息子が中耳炎になったとき、2回の受診で8万円保険入ってたけど。
その代わり、予約した時間きっかりに診てくれた。
日本の医療は医師や看護師の過重労働で成り立っているんだと思う。
医師なんか朝来て当直してまた朝からの勤務で、
36時間位病院にいるんだよ。
大学看護師は仕事がつまらないとさっさと辞める。
他に資格があるから。
今は同じところでずーっと働くという選択はあんまりないから。
三年制でも40代で学生になった人は、指導が終わった頃に疲れて辞めちゃう。
また、指導を受け入れようとせず、持論展開。
いざという時の保険で資格だけ取って三年くらいで辞めちゃう。
再就職するための教育もあるけど、長続きしない。
だからいつも大きい病院は看護師が足りない。
なんとかなんないかねー。
だから簡単に救急車呼んで変な病院行きたくないんだよ。
頭を打ったり、意識障害以外は
様子見で次の日に掛かり付け医にいく。
あくまでも私の場合ね。
あ、若い人、命に関わるような人はちゃんと救急隊がトリアージして運んでくれるから大丈夫よ。
問題は老人です。
そりゃこれからまだまだの18才と、
意識不明の90才が来たら、
18才を優先するよね。
昔はお家で看取ったんだもん。
高齢者は大変。
どうなるんだろうねぇ、この国の医療。