BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ
Side O
「カズ…大丈夫?」
カウンターからゆっくり身を起こしてカズを窺う。カズはカウンターに突っ伏すような形で顔を隠して息を整えていた。また真っ赤に染まっている耳を見つけて俺は内心、微笑んだ。
「カズがエプロン気に入ってくれてよかったわ…」
ぽつりと呟くと、カズは少し首を曲げて目だけをこちらに向けた。
「なっ…なんで…気に入ったって…」
「なんでかはカズ自分でわかるでしょ」
指でつーっと背中をなぞるとカズはびくっと震えて「やっ」と慌てた声をあげて身を起こした。
「っ…バカっ…」
潤んだ瞳のままのカズをぎゅっと抱 きしめる。
「あとでベ ッドでも…エプロン姿、見たいな…」
「…うん」
カズもぎゅっと抱きついてきて、さっき使ったロ ーショ ンの香りがふわっと香った。
「風呂…入る?一緒に」
髪を撫でながら聞くと、カズは顔をあげた。
「うん…その前に、あの…お願いがあって」
「何?いいよ」
カズはふふっと笑った。
「もうそろそろルー入れてもいい?」
カズがくしゃくしゃになったルーの袋を差し出すから、俺はふははっと噴き出した。カズがくすくす笑いながら四つ割りになったルーを取り出して鍋に入れると、ルーはとぷん、と小気味よい音を立てて鍋に沈んでいった。
…fin.