BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side M
ニノは俺の体を拭うと、俺をぎゅっと抱きしめた。
「あ…えっと…」
盛大に恥ずかしさがこみ上げてくる。それを隠したくて、俺はニノをおずおずと抱きしめた。
と、そのとき、ベッドサイドに置いておいた俺のスマホから着信音が鳴った。
ニノが俺の首に回した腕を緩めて、ニコ、と微笑んで、電話に出るよう促してくれたから、慌ててスマホの画面を見る。
リーダー…!
顔の高さまでスマホの画面を掲げて、目に力を入れて無言でニノに画面を指差す。ニノは「あ」と呟いて、驚いた顔になった。
「出るよ?」
短く言ってタップしたのと、ニノが頷くのはほぼ同時だった。
「リーダー?」
「あっ…松潤っ…収録の後、ニノ、どこ行ったか知らない?」
俺はちらりとニノを見た。ニノは不安そうな顔をして、こちらをじっと見つめていた。
俺はニノにもリーダーの声が聞こえるよう、通話をスピーカーにした。
「今ねー、俺ん家でふたりでメシ食ってた」
「あ、ニノいんだ。よかったぁ〜」
「どうしたの」
「いや、なんかさあ、今日様子変だったからさあ、心配になってさっきからめっちゃ電話してたんだけどさ」
「ああ」
ああ、なるほど。
ニノのスマホはリビングだ。
「全然出ねぇし、やっぱり様子おかしかったし、どんどん不安になってきて…」
「うん」
「マネージャーに聞いたら松潤と一緒に帰ったっつーから電話してみた…ごめんな、夜遅く」
ニノのことだと、よく喋るな、この人…
俺がくすっと笑うと、電話の向こうから戸惑ったような雰囲気が伝わってきた。
「松潤?」
「姫に代わるね」
「ひ…お…おお」
スマホを渡すとニノはいくぶんか緊張した面持ちで受け取った。
「もしもし、大野さん?」
「ニノ」
電話の向こうのリーダーの声が嬉しそうな声になった。
ったく、わかりやすいなあ…
「ニノ…もしかして、昨日会えなかったの怒ってる?」
ニノはしばらく黙っていたが、決意したように切り出した。
「大野さん…昨日…俺がかけた時…誰といたの?」