BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side O
「やだ…大野さん…描かないで…」
「画家に向かって何言ってんの」
拘 束され、椅子に座らされた俺の王子は、顔を真っ赤にして、唯一自由な首を振った。
かろうじてユカタを着てはいるものの、前をはだけさせたから、体を隠しているのは、袖の部分の布と、帯しかない。
立てられた膝の間から、困ったように眉を寄せて、ニノはこちらを見ていた。その瞳は、今にも泣き出しそうなくらいに潤んでいて、もっともっと、いじめて困らせたい気持ちにさせる。
俺はペンを取ると、用意したスケッチブックに向けた。
もともと、俺だって描く気はなかったけど…
ニノの瞳を見て、気が変わった。
「いつも通り、まず顔からだよね」
潤んだ瞳を写し取る。
「やだ…やだ…やめて…」
ニノは懇願するような声で繰り返し呟いた。
「で、首んとこ…」
「はあっ…やだ…」
ニノは顔をのけぞらせて、うわごとみたいに言った。真っ白な首筋に目が吸い寄せられる。
「ふふっ…今鎖骨描いてる」
ニノに見せつけるように腕を動かす。
「だめっ…も…描いちゃやだ…」
ニノは目をぎゅっと瞑った。
「ここ、もうちょっといい色にしよっか」
俺は画材を置くと、ニノに近づいた。指先を胸に近づけていくと、ニノが焦ったように身をよじる。
「だめっ…ぁ…ぁあんっ」
脚を無理やり開かされて、肌を見られて熱がくすぶっているせいか、ちょん、とさわ っただけでニノはびくっと反応した。
「っは…だめ、あ、あぁぁっ…」
両方をくにくにさわっていじめると、真っ白な体をピンクに染めて身をよじる。手 錠がガチャガチャと鳴った。
ニノの体の中心が頭をもたげてきて、俺は指先を動かすのをやめた。
「ここ、ダメだよおっきくしたら…描いてる途中なんだから」
「バカ!んなとこ描くなぁ…」
ニノは言っている最中に恥ずかしさがこみ上げたのか、真っ赤になって俺から目をそらせた。
はあ…
おいらの王子はすげぇ可愛い。
そんな絵…おいらが山田に描くわけないじゃん…
俺は椅子に戻って、またペンを構えた。