君の瞳でつかまえて 38-1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







Side O






潤王子は、ふっ、と微笑んだ。


「私よりも適任がいるので、その者に任せてもよいか?」


「無論」


トーマ王子が短く答えると、潤王子は俺の方を向いた。


「智さん…任せたよ」


「ふぇっ」


思わずあげた声が裏返る。潤王子はいたずらっぽく笑った。


「俺が…でも、王子は…」


西国は王子が儀を執り行ったというのに、ただの牢屋番の俺が、潤王子を差し置いて儀に参加するなんて許されるんだろうか。


「その手錠着けた人の前で愛を示すなんて、できないでしょ」


潤王子はまたいたずらっぽく笑って、俺とニノをつなぐ手錠を見た。

俺も思わず手錠を見る。


ふたりをつなぐ、鎖。


ニノが不安そうな顔で俺を見た。先ほど泣いたせいで、瞳は潤み、目元が赤く染まっている。



そうか…



おいら、決めたんだよな…



もう、離れないって…



ニノが何者だろうと、



どこにいても、



すげぇ、好きなんだ…



俺は、潤王子や櫻井大尉や相葉ちゃんを背にして、ニノの前に向き直った。


「ニノ…って呼んでいいか…わかんねぇけど」


ニノは首を振った。


「大野さんの…好きなように呼んでよ」


ニノは、まだ涙の滲む瞳を細めて、いたずらっぽく笑った。


「…えっと…さっき、ニノがこの国の王子ってわかって…まだ信じらんねぇけど…」


「俺もだよ?」


ニノは小さく呟いてくすりと笑った。


「おいらは牢屋番になるまでずっと、潤王子に仕える画家で…潤王子が、あんな嬉しそうに誰かを抱きしめるところは初めて見たんだ…」


脳裏に、潤王子が「カズ」と呼ぶ姿が浮かんだ。


「ホントだったら…潤王子とニノは一緒に育ってきたんだろうな…って思うと…これからは、こっちの国へ戻ってきてほしいって…潤王子は思ってると思う」


潤王子がかすかに笑う声が、背中から聞こえてきた。


「智さんは…大野隊長はどうなの?」


思わず振り向くと、潤王子はニヤリと笑っていた。


「おいらは…」


ニノに向き直ると、ニノは俺の顔をじっと見つめた。