BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side S
頭を冷やすどころか、風邪を引きそうだった。
パジャマに着替えてバスルームから出ると、床に作った寝床にニノが寝ていた。うつ伏せになっていじっていたのか、手が携帯の形になって、傍に実物が置かれていた。
ベッドの方で寝ろ、って言っておけばよかった…
起こすのも忍びないので、俺はニノに布団をかけると、ニノをまたぐ形で足を上げてベッドにあがる。そっと照明を消して、常夜灯だけにした。
布団に潜り込もうとした時、かすかに声がした。
「翔ちゃん?お風呂上がった?」
衣擦れの音がして、ベッドが一瞬たわむ。
背中に温かいいい匂いの物体がぴとっとくっついてきた。
「ニノ…明日、早い…」
「翔ちゃん…補習…してくれるって言った」
「え?」
思わず、寝返りを打ってニノのほうを向く。暗闇の中でも、その瞳はつやつやとぬ れたように輝きを放っていた。
「補習…して?」
ニノの温かい腕が俺の体に遠慮がちに巻き付いた。応えると、すぐにぎゅっとしがみついてくる小さな体。
「ニノ…俺…お前のこと…めちゃくちゃにしない…自信ないよ…」
俺はニノの丸い背中をさすった。柔らかい稜線をどこまでもなぞりたくなる。
「だから…大学…行ってから…な?」
「ヤダ…先生なんだから…俺の知らないこと…いっぱい…教えてよ…」
熱い吐息が俺の唇にかかる。濡 れた感触が唇を包んだかと思うと、一気に中に侵入してきた。
あーっ…
やっぱ、紳士的にとか、倫理的にとか、無理…
「ん…はっ…あ…ニノっ…」
「翔ちゃぁんっ…」
俺は布団を押しのけて、巻き付いたニノごとぐるっと反転した。
腕の中に小さい温もりを閉じ込めて、その小さな肩をベッドに押し付ける。俺の熱くなった体を受け止める華奢な体は柔らかくて、くすぶる熱を秘めて、俺を誘うように闇の中でうごめいた。
唇を押し付けて、深く口付ける。ふれ あう濡 れた 舌が、もう溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱い。
「ニノっ…」
「翔ちゃん…はぁ…好き…」
目が慣れてきて、ニノのまつげの先が震えているのが見えた。