4月22日はこと座流星群がピークを迎える日です。
この流星群は明るい流星が見られる事でも有名な流星群ですが、今年は月明かりがあり、あまり見えず…




今回はせっかくなのでこと座の神話について書いてみようかと思います(過去にまだこと座の神話は書いていなかった…笑)。




こと座は日本では七夕でとても有名な星座で、七夕伝説ではこと座の1等星ベガおり姫星(織女星)と親しまれています。
ちなみに彦星(牽牛星)はこと座から天の川を渡った対岸にあるわし座の1等星アルタイルです。
この二人が1年に1回会えるというのが七夕伝説です。
これについては機会があれば後日書こうかと思います。







ギリシャ神話ではこのこと座はオルフェウスの竪琴として描かれています。
オルフェウスはトラキア王オイアグロスと音楽の女神カイオペの間に生まれます。
オルフェウスは音楽の才能にとても長けていて、その才能を気にいった太陽神アポロンこちら 参照)は竪琴をプレゼントします(この竪琴はアポロンに泥棒の神ヘルメス仲直りするために送った竪琴こちら 参照)と言われています)。
オルフェウスの奏でる音色は全ての動物に安らぎと休息を与え、どんなに争っていた者同士でもその音色に聞き入ってしまい、音楽を奏でている間は争いが収まったとも言われています。
彼には美しいニンフのエウリディケを妻としていましたが、ある日彼女は毒蛇にかまれて死んでしまいます。





オルフェウスはその悲しみに耐えきれず、ついに冥界に下りて最愛の妻を連れ戻そうとします。
彼の奏でる音楽はどんな争いも一時的に収まるのは冥界でも同様で、その時はありとあらゆる地獄の苦痛が治まりました。
オルフェウスは竪琴の音色で三途の川を渡し守カロンに渡らせてもらい、地獄の番犬ケルベロスを超え、とうとう冥王ハーデスこちら 参照)の居る城へとたどり着きます。
とうとうオルフェウスは最愛の妻エウリディケを返してもらえるよう頼み込みます。
しかし、死人を生き返らせるというのは世界の秩序を乱すもの。
そう簡単には冥王は首を縦には振ってはくれません。
そこでオルフェウスは竪琴を奏で冥王に聞かせました。
それを聞いていたハーデスの妻ペルセポネこちら 参照)は感銘を覚え、ハーデスを説得しエウリディケを返すことを承諾します。
ただし、妻を返す条件として、『地上に出るまで決して後ろを振り返ってはいけない』というものでした。
オルフェウスは妻の手を取り、来た道を引き返していきます。
行きは悲しみに暮れていましたが、帰りは最愛の妻と二人でいるのでとても足取りが軽く浮かれていました。
そしてとうとう出口が見えてきたとき、あまりの嬉しさのためなのか、それともハーデスを疑い本当は後ろにいるのは妻ではないと考えたのか、オルフェウスは後ろを振り返りエウリディケを確認しようします。
オルフェウスは冥王との約束を破ってしまい、エウリディケも彼の行動に失望してしまいます。
エウリディケは再び冥界の奥へ連れ戻されてしまい、いくら音楽を奏でても二度と中に入ることはできず、会う事は出来なくなってしまいました。






地上に帰ってからのオルフェウスは、あまりの悲しさに何も手につかなくなってしまいます。
オルフェウスは美男としても有名で、妻を亡くしたことを知った他の女たちはこぞって彼に言い寄ってきますが、オルフェウスは全く相手にしませんでした。
ある日ディオニュソスの儀式の際、お酒を飲んだ女たちは興奮し、『オルフェウスは自分たちを馬鹿にしている』と狂乱し、オルフェウスを八つ裂きにし首と竪琴はヘブルス川へ投げ捨てます。
投げ捨てられた竪琴はゼウスこちら 参照)が天へと舞いあげてこと座にし、オルフェウスは冥界で今度こそずっと一緒に過ごしていると言われています。







このギリシャ神話ですが、実は日本にもほとんど同じような神話が存在します。
それがイザナミ(この話ではエウリディケに当たる)とイザナギ(この話ではオルフェウスに当たる)です。
この話は最後がまた少し違いますが…
遠く離れた土地(今のように電話も何もないようなところ)で似たような話があるというのも面白いものですね。




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