紀元前322年3月7日は古代ギリシャの哲学者アリストテレスの命日です。
アリストテレスはプラトンの弟子であり、ソクラテス、プラトンとともに『西洋』最大の哲学者の一人とされています。




そしてアリストテレスはイスラム哲学中世スコラ学に多大な影響を与えます。
中世スコラ学とは中世ヨーロッパ期に主流とされた哲学で、西方教会(ローマ・カトリック教会)のキリスト教神学者・哲学者等によって成立した学問で、中世ヨーロッパではこれが絶大的な権力を保持していきます。
また、マケドニア王アレクサンドロス3世(通称アレキサンダー大王)の家庭教師をしていたことでも有名です。
アレキサンダー大王はギリシャから東はインドにまで勢力を拡大させますが、アレキサンダー大王の死後ディアドコイ(後継者)戦争が勃発し、帝国は分割されていくことになります。




アリストテレスは論理学や形而上学(けいじじょうがく)、自然学などで活躍をしています。
あまり聞きなれないと思いますが、形而上学というのは、簡単に言うと目に見えないものについて考察するものです。
形而上学と対になるのが形而下学です。
これは現在の言葉で直すと自然学に分類されます。
自然学(目に見えたり感じたりできるもの)はこの世の中の構成を論述しますが、形而上学はそれではないものを論述していきます。
例としては思考などです。
これらは目には見えず、肌で感じる事はできませんが、存在はしているでしょう。
あまりこれに深くかかわっていくと難しくなっていくのでここでやめておきます。



アリストテレスの功績で大きくかかわってくるのが自然学です。
アリストテレスの自然学は基礎的なものとして、火・空気・水・土四大元素が想定されています。
これは土(大地)の上に水(海や川)が存在し、その上に空気が存在し、そして火(煙や太陽)が存在するとしています。
また、これらの属性はそれらの場所に戻る性質があると考えられました。
たとえば煙は火に属するので上に上がり、物は土に属するので下へ落ちるなどです。
そしてこの四元素は地球を表わしています。
また、この地球は世界の中心と考えられ、空にある星は地球を中心に月、水星、金星、太陽、その他の惑星などが回っていると考えられました。
これが天動説の基になっていきます。
アリストテレスの四元素の考えに関してはここまでになるのですが、これは後にいろいろ研究が重ねられていき、後にプトレマイオスという人が出てくるのですが、この人はそれまで考えられていた天動説(ただ単に地球を中心に公転している)からさらに天文現象を正確に説明する説を唱えます。
当初の天動説は単純に回っているだけだったので惑星の天の位置が一致しなかったのですが、プトレマイオスはこれに惑星の独特の運動をつける事により、ややっこしいながらも惑星の位置を正確に説明をしてしまいます。

これに目をつけたのが西方教会です。
西方教会はキリスト教から派生したものなのですが、キリスト教としてはイエス・キリストを神の子として崇拝しています。
そんな神の子が地球に誕生したのですから、地球が宇宙の中心であることはとても都合がいいのです。
そのため、西方教会はこの天動説を正しいものとし、絶大な権力を得ていきます。
しかしこの天動説はアリスタルコス古代ギリシャ時代の天文学者で当初より地動説を提唱していましたが、アリストテレスやプトレマイオスの説が支配的だったため、表に出ることはありませんでした)、そしてコペルニクスにより地動説が再び唱えられ、それを証明する目的でガリレオ・ガリレイが木星の衛星を発見し(ガリレオ衛星)、天動説は覆され教会の権力が落ちていくきっかけになります。




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