1555年10月16日(天文24年10月1日)は厳島において毛利元就陶晴賢を討ち取った厳島の戦いがあった日に当たります。

厳島の戦いは日本三大奇襲の一つに数えられています(一般に桶狭間の戦い河越夜戦厳島の戦い)。
日本三大奇襲の簡単な説明として、


・桶狭間の戦いは1560年6月5日(永禄3年5月12日)、尾張国桶狭間(実際には少し離れた田楽狭間というところで起こったと言われています。そのため別名田楽狭間の戦いと言ったりもします。)において東海一の弓取りと謳われた今川義元率いる2万5千(一説には4万とも5万とも言われています。本陣には5千~6千)を尾張の大うつけ織田信長が僅か2千(総勢は4千から5千)で奇襲をし、義元を打ち取り、信長は天下にその名を轟かせます。
ちなみに日本三大奇襲の中では一番最後に起こった戦いです。


・河越夜戦は1546年10月31日(天文14年9月26日)、武蔵国の川越城において起こった戦いです。
川越城に籠っていた北条綱成3千の兵で籠城していました。
それに対して上杉憲政上杉朝定足利晴氏率いる連合軍は総勢8万の大軍でした。
通常籠城戦では籠城兵に対して10倍あれば大抵落とすことができると言われています。
そう考えると攻城軍は籠城軍の約25倍の兵力があります。
このままでは川越城は落ちると見て相模国の小田原に援軍を要請します。
そこで駆けつけたのは北条氏康率いる8千の軍勢でした。
氏康は夜中に敵陣に奇襲をかけ散々に蹴散らし、川越城の危機を救った戦いです。
ちなみに日本三大奇襲の中では一番最初に起こった戦いです。



2つについては簡単に述べましたが、本題に戻します。
晴賢はもともとは中国地方で強大な勢力を誇っていた大内義隆の家臣でした。
しかし、中国地方で同じように勢力を拡大していた山陰地方の尼子家に散々に打ち負かされたしまいます。
これにより、戦争に全く興味を示さず、政にも疎かになり義隆は日夜連歌などに没頭し、一部の家臣以外を重要視します。
この頃の義隆は戦争は勝手にやっていろというありさまでした。
これに腹を立てたのが武断派と呼ばれる人たちで、その中の一人に晴賢もいました。
そんなある日晴賢が謀反を起こすという噂が流れます。
義隆の重臣冷泉隆豊もこの事を進言しますが、全く相手にせずそのまま連歌をし続けていました。
そしてとうとう晴賢は謀反を起こし、義隆は大寧寺において自害します。
これを『大寧寺の変』と呼ばれ、本能寺の変に並ぶ大事件が起こります。
この事件の後、晴賢は大友家から義長を養子として迎え、名を大内義長と改めます。
これと同じ頃、元就は厳島の宮尾に城を築きます。
実はこの城は晴賢を誘き寄せる囮の城だったと言われています。
そして安芸国内で陶家と毛利家は幾度となく小競り合いを続けていきます。


天文24年、宮尾城に陶方から毛利に寝返りをしてきた己斐直之坪井元政に500人にて守備を任せます。
それと同時に元就は


『今厳島を攻められれば困ると元就が言った。』


と周防国(大内家の領地)などに流言を流します。
また、元就の家臣桂元澄晴賢に寝返りをするという偽の書状を晴賢に送ったりと謀略を使って厳島に晴賢をおびき寄せようとします。
弘中隆兼は流言かもしれませんと厳島攻撃に反対していましたが、もし本当なら元就を打つチャンスと晴賢は厳島に向けて出陣します。
この時の晴賢軍は2万から3万だったと言われています。
陶軍は厳島の大元浦に上陸し、宮尾城を包囲します。
実はこの時晴賢はすぐに宮尾城を攻めず、数日時間をおいていました。
理由としては偽の書状を信じ、元澄が寝返るのを待っていたと言われています。
一方毛利軍は草津城に集結したが、兵力は僅か4千から5千ほどだったと言われています。
また、元就はこの戦いは水軍が鍵を握ると考え、毛利水軍だけではなく、村上武吉通康村上水軍を味方に付けています。
そして、厳島の戦いが起こる前日10月15日の夜半、嵐に見舞われ、視界が悪くなります。
これに乗じて、毛利軍は2手に分かれ厳島に向かいます。
この時、渡ってきた船を岸に停泊させず、すべて対岸に戻したと言われています。
これは『この戦いに後戻りはできない』という決死の覚悟をさせたと言われています。
一方の小早川隆景率いる別働隊は宮尾城を包囲していた陶軍の援軍と偽り、宮尾城に入り味方部隊と合流しました。
翌日早朝、毛利軍は陶軍の背後(主力部隊)と城内から一斉に奇襲をかけます。
前日は暴風雨のため、陶軍は油断をし、また大軍だったため、身動きができず混乱状態に陥り陶軍は総崩れとなります。
陶軍は我先に脱走を測り、船を奪い合い溺死者などが続出したと言われています。
晴賢は敗走途中逃げきれず、最後には自害して果てます。
なお、晴賢の遺骸は、桜尾城の首実検の後洞雲寺に葬られました。


この戦いにより、大内家は急速に弱体化し、毛利家が大内家を滅ぼしそのまま手中に治めて行きます。



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