1872年10月14日(明治5年9月12日)は新橋駅(後の汐留貨物駅・現在廃止)ー横浜駅(現桜木町駅)間で初めて鉄道の正式開通が開かれた日にあたります。

日本に鉄道が伝わって来たのは1840年代の事ですが、この頃には話が伝わってきただけで、鉄道というものは日本には存在せず、1825年9月27日イギリスのストックトン・アンド・ダーリントン鉄道が商用鉄道として開業したのが鉄道の始まりだとされています。

1853年(嘉永6年)ロシアのエフィム・プチャーチンが長崎に来航し、船の上で蒸気機関車の鉄道模型を日本人に見せ、欧米の力を見せるべく詳しく解説を行いました。
翌年ペリーが2度目の来航をし、幕府に献上した品物には大型の模型があり、日本人の役人河田八之助屋根に乗せて時速約20マイルのスピードで走ったと記録されています(この時、八之助は大はしゃぎで乗ったとか)。
この時の様子は、ペリーの遠征記と河田の日記の双方に書き記されています。


蒸気機関に強く惹かれたのが佐賀藩で、1855年(安政2年)には田中久重と重臣や藩校の者の手によって全長約27cm程のアルコール燃料で動作する模型機関車を完成させ、日本人が初めて作った機関車とされています。

鉄道の敷設計画は江戸幕府などが中心に行われてきましたが、具体的になってきたのは明治維新後まもなく、大隈重信伊藤博文らが行うことになります。
しかし、この当時色々時代が変わっていった頃のため、政府はお金が全く足りなかった状況でした。
そのため、民間からの資本を入れてでも建設を行うべきだという声が出てきましたが、実際に鉄道を見せないことにはそれすら進まないと考え、モデルケースになる区間として、首都東京と港がある横浜の間29kmの敷設を行うことが1869年(明治2年)に決定しました。

そして1872年6月12日(明治5年5月7日)に品川駅ー横浜駅(現桜木町駅)間で、仮開業という形で2往復の列車が運行され、翌8日には6往復になりました。
1872年10月14日(明治5年9月12日)、日本発の鉄道開通式典が新橋駅で催され、明治天皇のお召し列車が横浜まで往復、翌10月15日全線の正式営業が始まり、鶴見駅が開業したのもこの時です。
正式開業時の列車本数は9往復、全線所要時間は53分、表定速度は32.8km/hでした。


これを記念して1922年(大正11年)10月14日は日本国有鉄道が『鉄道記念日』へ指定されました。
しかしこのままでは国鉄色が強いということで、1994年(平成6年)には運輸省(現在の国土交通省)の発案により『鉄道の日』と改称されてJR以外の民間鉄道も含めた記念日となっています。
なお欧米では極東の鎖国をしていた島国であった日本が、明治維新より僅か数年で自前の鉄道を完成させたことは、驚嘆の声が上がったと言われています。


余談ではありますが、日本人で鉄道に乗ったことが分かっている最初の人物は、太平洋で漂流しアメリカの船に救われ、現地に向かったジョン万次郎であり、1845年(引化2年)のことです。



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