過去の記憶を聞いてみよう

面積
948平方度


肉眼星数
161個


主な星
α星ラサル・ハグェ。星名の意味は『蛇を持つ者の頭』


主な天体
球状星団が多く、小望遠鏡で見やすいものに、M10、M12などがある


備考
へびつかい座が入った13星座では11月30日~12月17日生まれ


死者を生き返らせたアスクレピオス
前回カラス座(ここを参照 )でアポロン(ここを参照 )がニコロスを射殺すお話をしましたが、そのニコロスが身ごもっていた子供がアスクレピオスです。
そしてアポロンは信頼をおけるケンタウロス族の賢者ケイロン(ここを参照 )に預けました。
ケイロンはアスクレピオスにいろいろな知識を教えます。

そんなある日アスクレピオスはケイロンに医術を教えて欲しいと言います。
それはアスクレピオスの母親が事故(アポロンが矢でニコロスを射殺しますが、アスクレピオスはこの事を知りません)で亡くし、自分が世界の人々を助けたいと言うのです。
ケイロンはそれを聞いて、自分が知りうる医術をアスクレピオスに教え込みます。
そしてケイロンから教えを受けたアスクレピオスは青年になった頃にはすでにケイロンの知識を超える人物になっていました。


そしてケイロンのもとから独立したアスクレピオスはイアソン率いるアルゴー号探検隊などに参加します。
ちなみにこの船の参加者にはギリシャ神話最大の英雄と謳われたヘラクレスやふたご座で紹介したカストル・ポルックス、竪琴の名手オルフェウス等がいます。
アルゴー号の冒険から戻ってきたアスクレピオスはますます医術の技が磨かれ、また人々の病を治していきます。


そんなある日、アスクレピオスの下にアテナイ王テセウスの息子ヒッポリュトスを生き返らせて欲しいと頼み込みました。
人の死を小さい頃に味わっていたアスクレピオスはこれを聞き入れ、なんと死者を生き返らせてしまいました。
この噂を聞きつけた人々はこぞって恋人を生き返らせて欲しい、親を生き返らせて欲しい、親友を生き返らせて欲しいという思いでアスクレピオスの元へやってきます。
しかし、これに困ってしまう者がいました。

冥界の王ハデス(ここを参照 )です。
ハデスはこの事を


『世界の秩序(生老病死)を乱す行為だ。』


ゼウス(ここを参照 )に訴えかけます。
ゼウスは由々しき問題とこれを受け入れ、雷霆をもってアスクレピオスを撃ち殺してしまいます。
こうして死者は二度と生き返ることは亡くなり、世界の秩序が元に戻ります。


しかし、この決定に不服を持ったものがいます。
お分かりだとは思いますが、アスクレピオスの親アポロンです。
しかし、アポロンの父であるゼウスを殺すことなど当然できません。
そこでアポロンはゼウスに雷霆を与えたキュクロプス達に腹いせのため皆殺しにしてしまいます。
このことに対してゼウスはアポロンに対して罰を与えます。
実はこの時ゼウスとアポロンとの間に一時的ですが小競り合いが起こります。
この小競り合いにゼウスの妃ヘラもアポロン側に参加をしたと言われています。
小競り合いに負けたアポロンは人間界で1年間テッサリア王アドメートスの元で羊飼いとして家畜の世話をすることを命じます。
また、ヘラは手を縛られ天空から吊るされたと言われています(当然一時的なものとしてですが)。
そしてアスクレピオスは死後天に上げられ神の一員に加えられ、へびつかい座になったと言われています。


ヒポクラテスはアスクレピオスの子孫とも言われ、彼も医学に名を残しています。
また、へびつかい座は(当然ですが)手に蛇を持っています。
では何故蛇なのでしょうか?
はたとえ表面が傷ついても脱皮をすると元の通り傷一つ残らないという意味で、再生と治療のシンボルとされています。
そのため、よく病院や救急車などには杖に白蛇が巻き付いたマークが使われていたりします。
アスクレピオスも蛇が巻き付いた杖を持っている石像があります。
嫌われ者の蛇も医療では親愛を込められているんですね。


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