過去の記憶を聞いてみよう



面積
889平方度


肉眼星数
134個


主な星
α星アル・レシャ星名の意味は『ひも』


主な天体
渦巻銀河M74


備考
黄道星座で2月21日~3月20日生まれの人の星座
へびつかい座が入った13星座では3月11日~4月18日生まれ


占星術では♓と表され、双魚宮と表記され、水の宮(クール、モイスト)、変動宮、女性格に分類されます。



うお座の神話
うお座の姿は愛と美の女神アフロディーテとその子エロステュフォンに襲われた際、魚に化けてナイル川に飛び込んだ時の姿です(テュフォン参照 )。
また、うお座には親子が離れ離れにならないように紐に結ばれています。
この神話は過去にお話していますので省略して、アフロディーテも金星の神話でお話していますので省略することにします(金星の神話 )。
ここではアフロディーテと紐で結ばれた子エロスのエピソードについて書こうかと思います。


エロスは自分が持っている矢で人の恋愛の心を操る神(天使)と描かれています。
エロスのエピソードとしてはアポロンに嫌味を言われたエロスが仕返しにダプネとの叶わぬ恋のお話があります(アポロンとダプネ )。
基本的にはエロスは他の人の恋について関与をしますが、実はエロスは1度だけ人間に恋をするお話があります。


エロスが恋した美女プシュケ
プシュケはある王国の3人の王女の中の末っ子で、当時その3姉妹は国では絶世の美女と言われていました。
王女たちには毎日のように婚姻話が舞い込んでいましたが、どれも受けることがありませんでした。
そして、末っ子のプシュケは愛と美の女神アフロディーテを超える美しさだと国の人たちは噂されるほどでした。
これを面白く思わないアフロディーテは子エロス


『お前の鉄の矢でプシュケに縁談話がこないようにしておやり』


エロスはとってもいたずら好きなので面白半分にこの話を受け入れこっそりとプシュケに鉄の矢を射掛けようとします。
しかし、エロスプシュケのあまりの美しさに一瞬見とれてしまい、誤って自分の金の矢(相手に惚れてしまう矢)をエロス自身に刺してしまいました。
たちまちエロスプシュケに一目惚れをしてしまい、プシュケを誰かに取られるのは嫌だと思い、プシュケに鉄の矢を射掛けて立ち去ります。

あんなにプシュケの元に求婚者が舞い込んでいたのに、その日を境に全く来なくなってしまった事を不審に思ったプシュケの父母はアポロン神殿に赴き、神託を受け、


『山の山頂の祭壇に娘を置き、全世界を飛び回り、神々や冥府でさえも恐れる魔神と結婚させよ』


というものでした。
つまりは『生贄に捧げよ』ということですね。
この様な神託を受けてしまった父母は動揺を隠せませんでしたが、プシュケはこの神託に従うことを決意し、祭壇へと赴きました。

そして人々が立ち去り、しばらくするとアネモイ(風の神々)が現れ、プシュケを眩いばかりの神殿へと連れて行きました。
そこで見えない声が


『ここがお前の新しい家だ。
そしてここにあるものは全てお前のもの。
何不自由なくここで暮らそうではないか。』


という声がどこからともなく聞こえてきました。
これは自分が決めたこと、プシュケは覚悟を決め、この現実を受け入れることにしました。
しかし、プシュケが思っていたものとはまるで違い、食事も音楽もすべてが揃っていて、とても居心地がいい素晴らしい場所でした。
とてもアポロン神託で受けた魔神のするようなこととは思えませんでした。
月日は過ぎていき、1つだけ不審なことがありました。
それはプシュケはまだ夫の顔を見たことがなく、夜になると暗い部屋の中に現れるのみで、決して姿を見せることがないという点でした。
たとえ何不自由なく過ごしていたとは言え、まるでここには一人でいるようなもの、家族が恋しくなり、夫を泣きながら説得をし、二人の姉を神殿に招き入れる事に了承を得てプシュケは姉たちに神殿で会うことができました。
プシュケは神殿での事を話すと姉たちは豪華な暮らしに嫉妬をし、


姿を見せない夫は大蛇か何かでプシュケを太らせてから食うつもりではないかと意地悪を言い、夫が寝ている隙に殺すべきだ


とけしかけました。

正直者のプシュケは姉たちの話を信じ、夫が寝ているところに蝋燭を持って忍び込みましたが、蝋燭の灯りにうつった夫の姿は凛々しい神の姿がそこにはいました。
驚いたプシュケは誤って手にしていた蝋燭を落とし、夫に火傷を負わせてしまいます。
その夫というのが他ならぬエロスでした。
プシュケのこの行動に激怒をしたのはエロス…ではなくその母アフロディーテでした。
アフロディーテは有無を言わさず二人を引き離し、さっさと国元へ帰れとプシュケを追い出しました。

国元へ帰ってきたプシュケを見つけた姉たちはプシュケからエロスとのことを話すと、今度は自分たちがエロスのところに行くんだと、姉たち二人は祭壇へと趣きアネモイに神殿へ運んでもらいましたが、アネモイは姉たちを運ぶことをせず、絶壁から落とし殺していまいました。



愛するエロスのために…プシュケの試練
どうしてもエロスのことを忘れられないプシュケはまたエロスに会いたいと祭壇にやってきて、エロスと会わせて欲しいと赴きますが、アフロディーテはそれをさせませんでした。
しかし、必死にすがりつき頼み込んでくるものですので、アフロディーテ


『自分が出す試練を克服したら今までのことは許し、会わせてあげます』


と約束をしました。
しかしその試練というのはとても難題で、とても普通の人間のできるようなことではありませんでした。
そうです、はじめからアフロディーテエロスと会わせるきなどなかったのです。
その試練というのが、


1.倉庫いっぱいにある穀物を1日で全て1粒づつ分けろ
2.凶暴な金の羊の毛をとってこい
3.龍の棲む泉から水を汲んで来い


というものでした。
しかし、プシュケ倉庫いっぱいの穀物にはたくさんの蟻たちが手助けをしてくれ凶暴な金の羊の毛では河辺の葦が羊毛の取り方を助言してくれ龍の棲む泉の水汲みではゼウスの大鷲が水を汲んで来てくれるなど不思議な助けを受けてアフロディーテの難題を克服していきます。
なかなか失敗しないプシュケに業を煮やしたアフロディーテは、


『息子エロスがあなたのために火傷をし、介抱していた私は美貌が衰えたから、冥府の王女ペルセポネから美を分けてもらいに行ってきなさい。』


と難題を与えます。
冥府に行くには一度死ななければいけないと思ったプシュケ高い塔から飛び降り死のうとしたところを止められ、死なずに冥府に行く方法を聞き、見事ペルセポネから美の入った箱を分けてもらうことができました。
しかし、今までの難題にやつれ、美を失っていたので、エロスに会う前に前のように美しい姿になろうと美の入った箱を開けてしまいました。
しかし、箱の中には美など入ってはいなく、中には冥府の眠り(死)が入っていました。
そのためプシュケ深い眠りにつき、仮死状態になってしまいます。
その時、傷が癒えたエロスは冥府の眠りを箱の中に集め、プシュケを連れてゼウスのもとに赴き、眠りから覚ましてもらえるように頼み込みました。
その願いを聞き届け、さらに神々の酒ネクタルの飲ませプシュケを神々の仲間入りをさせました。
これにより、プシュケは人間から神へとなり、アフロディーテエロスプシュケの結婚を認めました。
そして二人のあいだにはウォルプタス(喜び)が生まれました。
ちなみにプシュケは『心・魂』という意味があります。


これに似たようなお話としてシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』がありますね。
最後は全くの間逆になってはいますが、身分違いの恋という点では一緒かもしれませんね。


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