過去の記憶を聞いてみよう



面積
1249平方度


肉眼星数
167個


主な星
白色の1等星スピカ。星名の意味は『穂』
女神が持つ麦の穂先に輝く


主な天体
γ星ポリマは、望遠鏡で連星とわかる。
M104ソンブレロ銀河も小望遠鏡で興味深い見もの


備考
黄道星座で8月24日~9月23日生まれの人の星座
へびつかい座が入った13星座では9月16日~10月29日生まれ


占星術では♍と表され、処女宮と表記され、地の宮(クール、ドライ)、変動宮、女性格に分類されます。


冥界に連れ去られた娘ペルセポネ
おとめ座は収穫の神デメテルの姿とされています。
デメテルにはペルセフォネという1人の娘がいました。
ある日ペルセフォネが野原で花を摘んでいると、1本のきれいな花が咲いていました。
ペルセフォネが近づいていくと、1本の茎の上に二百の花をつけた珍しい水仙のような花で、その花からはなんともいえない、いい匂いが漂い、空も海も大地もうっとり酔っているふうに感じられました。
ペルセフォネが花を取ろうとして手を伸ばした時、突然大地に大きな穴が開き、そこから4頭の黒い馬に引かれた黒い戦車が表れ、ペルセフォネはそのまま穴の中に連れて行かれてしまい、穴は再び元の台地になっていきました。


ペルセフォネがいなくなった事を知ったデメテルは、ありとあらゆる地上の世界を探し回りました。
しかし、ペルセフォネは地下の世界に連れて行かれたので、いくら地上の世界を探しても見つかるわけがありません。
探すあてを失い、途方に暮れていると、物知りのヘカテに出会ったので、尋ねてみると、


『ペルセフォネは誰かに連れ去られていくのを聞いたけど、誰に連れ去られたのかはわかりません』


と答えました。
そこで今度は太陽神ヘリオスに尋ねると、信じられない言葉が返ってきました。


『ペルセフォネは冥王ハデスが自分の妻にするために、ゼウスの許可をとって連れ去っていった』


と・・・。
自分の兄弟が連れ去っていってしまった・・・。
しかもゼウスは承諾の上で・・・。
このことを聞いたデメテルは悲しみから次第にゼウスへの怒りへと変わっていきました。
そして、デメテルは自分の仕事を放棄し、オリンポス山から立ち去っていきました。
デメテルは収穫の神でしたので、作物は育たず大飢饉になってしまいました。
オリンポス山から見ていたゼウスはこのままでは世界中の生き物が死んでしまうことを恐れ、ヘルメスハデスのもとに使いを出し、ペルセフォネデメテルの元へ返すように命じました。
ハデスもしぶしぶゼウスの言うことを聞く事にし、ペルセフォネに最後の別れといって、ザクロの実を3粒与えて返しました。
そして、デメテルペルセフォネが再会した時、すべての植物は花を咲かせ、そして実を結び、明るい世界に変わりました。


しかし、デメテルペルセフォネはいつまでもずっと一緒にいる事はできませんでした。
実は、生きている物すべて冥界の食べものを口にした場合、冥界に戻らなければいけなかったのです。
ゼウスは1年を12ヵ月に分けて、ペルセフォネが食べたざくろの実3粒つまり3ヵ月間冥界で暮らし、残りの9ヶ月間はデメテルと一緒に暮らすように言いました。
そのため、春、夏、秋はいろいろな花を咲かせ、作物も育ちますが、冬は一緒に暮らす事ができないので作物が育たないと言われています。


また、これには異説があり、ギリシャ等は夏には旱魃が起こり、雨が降らないので作物が育ちにくいという事でペルセフォネが冥界に行くのは夏ではないかという説もあります。