3回目の緊急事態宣言前日に行ってきました。
正直、感染者数増大で行くかどうか迷っていたのですが、
翌日以降ほとんどの舞台が公演中止になるとのことだったので
見納めの気持ちで行くことにしました。
実際この舞台は翌日の大千穐楽までできたけれど、私が持っていた翌日分の別の舞台は中止になりましたからね。
ずっと引きこもっていたけれどGW中はちょこちょこチケット持っていたんだけどな。
予習はしていません。
わかっていたのは日系アメリカ人が収容所に入れられてそれからという話であること、
濱田さんと海宝くんが姉弟ということだけです。
感想は「濱田さんと海宝くんの歌がうまい」ということ。
本当に当たり前の感想なのですが、圧倒的な歌唱力にしびれました。
逆にいうとこの歌唱力がなければ、この作品ちょっと厳しいかなとも思いました。
最初に老サミーが姉ケイの死を知る、50年以上二人は会ってないというシーンを入れることによって
戦中にはこの姉弟は死んでなかったということがわかるのである意味安心して観ることができました。
収容所の様子も割とマイルドな表現なので見やすいといえば見やすい。
だからあまり切迫したものが感じられなかった。
実態がどうだかわからないけれども収容所の中でみんな結構自由に暮らしているし、いい服も着ている。
ハナの死も話を動かすための唐突さを感じる。
それでもぐっときたのは2人の歌なんですよね。
特に一幕はそう感じた。
ただ、現状を考えながら観ていると本当にしんどくなってきた。
収容所の中である程度自由に暮らしているように見えるけれども、本当の意味での自由はない。
色んな意味で現実とリンクするところあって「GAMAN」の大合唱のところはかなり響いた。
そして、老サミーとおじいちゃんの2役を演じた上條さんが芝居を締めている気がしました。
二幕はサミーとケイのすれ違い、二人のデュエットから泣きながら(比喩ではなくリアルに泣いてた)観てました。
サミー、タツオ、フランキーそれぞれの「アリージャンス」とは何ぞやというのが主題だったかと思うのですが、いちばん報われなかったのがサミーだったのか、それでもサミーは信念を曲げることができなかったのか。
色々考えさせられる作品でした。
タツオ(サミーとケイの父)役の渡辺徹さんが病気で降板されて、松原剛志さんが代役だったのですが、松原パパも良かったけど徹さんも見てみたかったなと思いました。
歌はさすがだったんですけど、やはり若いなと感じたので(実際濱田さんより年下ですよね)。
カーテンコールでは濱田さんが終始ニコニコ明るい笑顔だったのに救われました。
これでしばらく舞台を観ることができないのか。