ブロードウェイ版の日本版が初めてということで観に来ました。
評価がわからない時点でチケットを購入したので安定の3階席(笑)。
オリックス劇場の3階席遠いんやー。
しかし、この舞台に関しては全体見渡せて美しさ堪能出来て良かったです。
美しくカリスマ的なリーディングプレイヤー率いるアクロバットサーカス一座に誘い込まれた若き王子ピピン。
人生を変える情熱に駆られる彼は「特別な何か」を探し求める度に出るも、彼の心は満たされない。
旅の最後、すべてを捨ててようやく彼が見つけた「本当の幸せ」とは・・・?
(フライヤーからのあらすじ抜粋)
ピピンは神聖ローマ帝国皇帝の息子という役柄ですが、あくまでもサーカスの劇中劇。
城田くんは「ピピンを演じる俳優」という役で他の人達もそう。
このサーカスのアクロバットがシルクドソレイユに出ているという外国人パフォーマーたち交えて本当にすごかった。
「ミュージカル」を求めてきたなら好き嫌いが分かれる作品でしょうが、「エンターテイメント」としては超一流のものを魅せてくれたと思います。
ストーリーはありきたりといえばそうかもしれないのですが、圧倒的なパフォーマンスと不思議な美しい世界で惹きつけられる。
ラストの不条理さも私は好きです、こういった世界観好き。
いちばんの肝であるリーディングプレイヤーが初ミュージカルのクリスタル・ケイちゃん。
歌がうまいのはわかっていましたが、初ミュージカルなのでどうだろうと思っていました。しかし、とにかくかっこよかった。
ラストシーンは少し経験不足を感じましたが(ラストは台詞が多いから)、この不思議な世界を作り上げる様が見事でした。
最初はコメディタッチだけどだんだん不穏な空気に変えていく。
存在感もありました。
一幕ではそうでもないのですが、二幕ではっきりとこれが劇中劇だということをわからせていると感じたのはリーディングプレイヤーとキャサリン(役の女優という設定)の絡み。
そして、ピピン役の俳優だけが初めて演じる俳優というのを一幕でも匂わせていたのですが二幕で更に強調することによってラストがああそういうことなのかと思わせる。
そのあたりが面白かったです。
城田くんは「自分探し」に夢中で流され屋さんな役。
透明な歌声がこのゆがんだ世界からは異質感があってはまっていました。
それぞれのキャラクターも合っていた。
継母役の霧矢さんはセクシーで美しい、美脚を惜しげもなく披露したダンスパフォーマンスが素敵。
父王役の今井さんはいつものごとくええ声で本当にシェイクスピア作品から出てきた王様、しかしやたらとマジック披露が多かった(笑)。
異母弟役岡田くんは本当にあほボンがはまっていたw
筋肉バカという言葉がぴったりな役、だけどダンスもキレキレ。
旅の途中のピピンと出会うキャサリン役のエマちゃんがまた良かった。
歌声も良かったけれど、コメディセンスが抜群。
圧倒されたのはおばあちゃん役の中尾ミエさん。
テレビでは小さい頃から見ていましたが、生で観るのは初めて。
歌声も素晴らしかったけれど、なんといっても空中ブランコでのエアリアルパフォーマンスがすごかった。
普通にブランコに乗るだけでもすごいのに、宙吊りになったりくるくるまわったり体幹の強さが半端ない。
中尾さんおいくつだろうと幕間で調べましたもの(73才でした)。
スタイルも無駄なところがない引き締まった身体で鍛えているんだな。
ダブルキャストの美波里さんならまだ出来るだろうというのはわかるのですが、さすがに何十年もこの世界で活躍している人は違うなと改めて感じました。
メインキャストでいちばんハードなことをしていたのがこのおばあちゃん役なのでカテコの拍手もいちばん大きかったように思います。
この回はアフタートークもありました。
登壇者は城田くん、エマちゃん、岡田くん。
大体20分くらいだったかな?
内容は司会者が見どころとかお気に入りシーン、自分がやっていて楽しいシーンなどを聞いて答えるという形式。
まず、大阪の観客に対して思ってもいないところでリアクションがあって楽しいそうです。
笑う箇所がアメリカ人に似ているらしい(笑いのポイントなどは本場の人達が演出に来てくれていたので教わったとのこと)。
また、特にこの回では首が喋るシーンで息飲む音が聞こえるくらい驚かれたので城田くんもエマちゃんも逆に驚いたそう。
このシーンにエマちゃんが出ていたことにびっくり。
司会者が大阪の人は反応いいんですよということで城田くんにパン、パンパンパン(いいとものアレ)を観客に向かってやってと無茶ぶり。
そこで観客たちが完璧に応えたので、エマちゃん背中丸めながら大爆笑していた(笑)。
城田くんの楽しいシーンは王様とルイスとの天丼な掛け合いシーンで、それ以外は全部緊張しているとのこと。
色々やることが多く失敗できないという緊張感があるそうです。
見どころは全部!だそうです。
どれも見逃してほしくないとのこと。
エマちゃんは、一幕はほとんど出ていないから稽古の時に段々出来上がるのを見ることが出来て楽しかったそう。
見どころは家畜に餌やったりという日常生活のシーン。
そこでかな、岡田くんが豚さんもやっているという話になったのは。
ピピンやリーディングプレイヤー以外は本役以外で色んな所に出ていたそうです。
3階だから見えないよー。
そして、鶏役の田極さんがダンスはピカイチなのにここのシーンでいちばんダメ出しうけていたという話が面白かった(笑)。
岡田くんは霧矢さんとのダンスシーンが見どころといったのかな、好きなシーンだったかな。
ママラブだそうです(笑)。
霧矢さん演じる「継母役の女優」と岡田くん演じる「異母弟役の俳優」は舞台外ではつきあっているという裏設定があるらしい。
実はフィナーレで舞台外の関係がそれぞれむき出しになっていたそうなのですがそこは見落とした。
「これは劇中劇なのでそういったところに注目するとまた違った風に見えますよ」という城田くんに「もう皆さん観終わった後なんだけど」とつっこむエマちゃんが面白かった(笑)。
あとは岡田くんのお尻がぷりっとしていたのは何か入れているそうです(笑)。
なかなか西洋人のようなスタイルにならないからということだそうで、「僕もぺっちゃんこ」「いや、あなたは外国の血が入っているやん」という掛け合いも面白かった。
また、稽古始めで集合写真を撮った時と開幕してから撮った時とでは明らかにみんな顔がしゅっとなっているそう。
城田くんは7キロ痩せたそうですが、「みんな心配しないで」と連呼してました。
岡田くんと二人筋トレをしようかと言ってたけれども、筋トレする暇ないくらい稽古がハードだから痩せたとのこと。
最後にというか終始城田くんはこのカンパニーでこのピピンが見られるのは明日が最後、観ていただいた皆さんというより観ていない方へおすすめしてください、もちろんもう一度観たいと思ってくださった方は是非、と語っていました。
翌日は私は観られないけれどまた再演があったらいいな。
おそらくまるまる同じキャストでは難しいでしょうが。