今回珍しく原作を読まずに来ました。
あらすじだけは頭に叩き込んできましたがそれが良かったのかどうだか。

結論から申し上げると消化しきれなかった。

今回2チーム1回ずつの観劇でした。
やはり最初に観た方が印象に残るというのもあるのか、今回Иチームの方が好みでした。

なんといっても大さんアンナの圧倒的な美しさにひれ伏す舞台だった。
あれだけ美しいなら籠の鳥におさまらず堕ちていくだろうという説得力がある美しさ。

3組のカップル(というか3人の女性)の対比を描きたかったのだろうがいちばん印象的なのはキティだった。
この話はキティが主役なのではないかと思った。
今回いちばん良かったと思うのは関戸さんのキティ。
キティの成長物語を見ているようだった。

やはりいちばんひっかかったのは肝心のアンナとヴロンスキーが惹かれあっているのがあまり感じられなかったこと。
耽美さを見せるつもりはなかったのかもしれないが、あまりにもアンナとヴロンスキーが舞台上キスのひとつもなく清らかすぎるので子供や旦那を捨ててまで惹かれたというのがあまり伝わってこなかったというのがいちばん大きい。
逆にキティとリョーヴィンは丁寧に描かれていたな。ベタだけど積木のシーンが好き。
そしてチュッというバードキスでときめいた(関戸キティと仲原リョーヴィンは。久保キティと芳樹リョーヴィンはほっぺにちゅっだったのはなぜ?)

楢原スティーヴァと石飛ドリーはなんだかんだいいながらずっとこのままなんだろうなと思わせる夫婦。
きっとスティーヴァは浮気止めないだろうな(笑)。

いちばんかわいそうでいちばん人間味があると思ったのは船戸カレーニン。
ああいった言動ながらもいちばんアンナを愛していたのはカレーニンではないかと思わせる。

リョーヴィンはやはり仲原さんの方がはまっていて1幕ラストの春のあたたかさを感じたのは仲原リョーヴィンの方。
芳樹さんは今までと違った面を見せられたかどうかというようなことをカテコでおっしゃっていたが確かに不思議な感覚だった(と、これもご本人がおっしゃっていた)。
今まで回ってこなかった役柄だけにこういった引き出しもあったのかと思わせたのだが倉田さんがこの役をふった意図を知りたい。

若手で印象的だったのはやはり宇佐見くん。
3人の女性役を演じ分けていたがどれも職人技の様な的確な表現。
若手というよりもう中堅女優さんですね(笑)。
老若男女を演じ分けていた千葉くんも器用で印象的。

それぞれのキャラクターが何度も言う「幸せ」という言葉がいちばん強く印象に残りました。
幸せとはなんだろう。
そして序盤アンナがドリーに「生きて」というシーンがずっと心に引っかかっていました。
あらすじは読んでいたのでアンナのラストを知っていたからかもしれませんが。

文庫本3巻もある長編を2時間半にまとめていたのはすごいなと単純に思った。
あいかわらずシンプルなセットで赤が目に焼き付く舞台。
ラストずっと白い衣装のキティが赤いショールを羽織っていたのは何かを託されたのか。

舞台挨拶で曽世さんがわかりやすい舞台もいいけれど何かを持ち帰りする舞台もいいでしょう?というようなことを
おっしゃっていましたが本当に色々持ち帰りが多い舞台だったように思います。

 

感想難しい(笑)。