観劇2作目は「欲望という名の電車」。
前日の「アテネのタイモン」と違ってさすがにタイトルは知っています。
ただ、私にとっては映画も舞台も未見で今回初見。
一度観ておきたいと思っていたので足を運びました。
上演時間は休憩20分込3時間17分。
長い、しかも細かい(笑)。
しかしその長さは感じられない程圧倒されました。
前日は吉田鋼太郎ワールドでしたが、今回は大竹しのぶワールドでした。
とにかく大竹さん演じるブランチはのべつまくなしにずーっとしゃべっています。
スタンリーじゃないけれど「お前いいから黙れよ」と言いたくなるくらいしゃべっています。
それがブランチの不安定感のあらわれでもあったのですが本当に観ている方をイラつかせてどちらかというと北村さん演じるスタンリーに
「そりゃずっと居座られてしかも文句たらたらでうるさい小姑いたらいやになるよね」と同情してしまうくらい。
ある意味自業自得なんだけれどそれゆえに哀れ、しかも最後まで気高さは失わないという姿が印象的でした。
前日の吉田タイモンにも似たところがあったが。
北村一輝さんや鈴木杏ちゃんは生は初めて。
北村さんは映像と同じ話し方だなと思っていましたがプログラムを読むとあえての演出だったみたい。
クズ男といっても仕事はちゃんとしているし妻のことは愛しているし心底のクズではないというのがまた一番困るタイプですね。
杏ちゃんとしのぶさんの共演は「奇跡の人」以来だそうでこの舞台観たかったんだなと思い出しました。
姉と夫の間で板挟みになっている、いちばん同情の念を禁じ得ないのが杏ちゃん演じるステラ。
その揺れ動きや最後の慟哭が印象的でした。
藤岡くん演じるミッチはブランチに心惹かれる純粋な青年、それ故にブランチに裏切られたという絶望が切ない。
こういったピュアな役を観るのが珍しくて新鮮でした(笑)。
しかも巨漢の役でそういった台詞も出てきたのですが「いや、ちっさいやん」と思って観てたw
2日とも見ごたえある舞台で満足です。